「ファシリテーター」は、日頃から会議に参加する機会の多いビジネスマンなら一度は耳にしたことがあるはず。しかし、正しい意味を説明できない人は意外と少なくない。
そこで本記事では、ビジネスで使うファシリテーターの意味や「司会」との違い、ファシリテーターの役割を解説する。ファシリテーターに向いている人の特徴も、この機会にチェックしておこう。
ファシリテーターとは
まず、ビジネスシーンで使うファシリテーターとは何か、正しい意味を見ていこう。会議を手配する機会がある場合は、ファシリテーターと「司会」の違いもぜひ理解しておきたい。
会議やプロジェクトを円滑に進める先導役
ファシリテーターとは、会議やプロジェクト・研修などを円滑に進行し、より良い結果に導くサポート役のこと。具体的には、参加者の発言や意見を引き出したり、対立しないようメンバーのコミュニケーションをコントロールしたりして、会議やプロジェクトの目標をクリアできるように支援するのがファシリテーターの主な役割だ。
ファシリテーターと「司会」の違い
ファシリテーターは、会議中やプロジェクト内のコミュニケーションを促し、参加者の考えをまとめる立場。一方、司会とは、会議開始・終了の合図などを周知し、会議を進行する立場であるため、ファシリテーターとは役割が異なる。
また、ファシリテーターと語感が似ており、意味を混同しやすい言葉に「ネゴシエーター」がある。ネゴシエーターは、ビジネス上では社外の商談や取引などで交渉を行う役割の人物を指す。
ファシリテーターの役割
次に、ファシリテーターの具体的な役割を見ていこう。
1. 意見交換できる雰囲気作り
会議やプロジェクトで能動的な意見交換や議論を行うために、雰囲気作りをするのはファシリテーターの主な役割の一つ。会議で本題に入る前にアイスブレイクや雑談を意図的に交える手法がよく用いられる。
2. 意見の整理
ファシリテーターは、会議進行が本題から外れないように、会議中の意見整理を行うことが必要だ。必要に応じて参加者の発言を整理したり、軌道修正したりすることで、スムーズに結論を出すためのサポートに回る。
3.時間管理
限られた時間の中で開催する会議では、時間管理が必要不可欠。ファシリテーターは、タイマーを使って時間を計りながら、特定の参加者のみではなく参加者全員が発言できるよう会議を進行する。議題の優先度を意識しながら、各参加者の発言時間を上手くコントロールするスキルが求められる。
4. 議事進行
ファシリテーターは、会議での意見をもとに有意義な結論を導けるよう、議事進行する役割を持つ。そのために、会議を行う目的やルールをあらかじめ参加者に周知することが必要だ。会議前に前提となる情報を共有し話し合うことで、スムーズに会議の結論が出せるだろう。
ファシリテーターに向いている人の特徴
最後に、ファシリテーターに向いている人の特徴を3つ紹介する。ファシリテーターになる可能性がある人は、ぜひチェックしてほしい。
1. 誰とでも中立的な立場で話せる
ファシリテーターを遂行するには、参加者一人ひとりの意見を中立的な立場で整理する必要がある。そのため、参加者に対して抱く個人的な印象や意見によって一人ひとりの対応に差が生じてしまわぬよう、フラットな視点を持ちながら参加者の話が聞ける人物がファシリテーターとして望ましい。
2. 自分でアイデアを形成できる
ファシリテーターは参加者のサポート役だが、意見交換が停滞している場合は、自らアイデアを出して会議を進行しなければならない場合もある。そのため、参加者が発言できていなくても、自らのアイデアや意見をきっかけに、会議を盛り上げるような働きかけができる人物がファシリテーターに向いている。
3. 意見を一つにまとめられる
参加者の意見を最終的に一つにまとめられる人物も、ファシリテーターに向いている。具体的には、参加者同士の意見が対立する場合でも、それぞれの意見を照らし合わせながら参加者が納得できる形の結論を導きだせるのが理想だ。
文/編集部