運転免許証の更新。これは安全講習と一体のものである。
講習には区分があり、違反履歴に応じて「優良運転者」と「一般運転者」、そして「違反運転者」に分けられている。もちろん、講習内容やそれに要する時間も異なる。そして最近では、優良運転者だけでなく一般運転者に対してもオンライン講習の門が開かれている。
安全運転を心がけていれば、自宅にいながら講習を受けられる時代が到来したのだ。
「一般運転者」もオンライン講習受講可能に!
まずは9月10日配信のNHKニュースの記事を引用したい。これは北海道の話題である。
道内ではいわゆるゴールド免許をもつ優良ドライバーを対象に免許更新の講習をオンラインで受けることができますが、その対象が来月から一般ドライバーにも拡大されることになりました。
この取り組みは国のモデル事業として一部の自治体で実施されているもので、これまでオンラインで講習を受けられるのはゴールド免許を持っている優良ドライバーのみでしたが、来月2日からは対象が一般ドライバーまで拡大されることになりました。
(『運転免許更新のオンライン講習 来月から一般ドライバーも』NHKニュース)
今の時点でこのオンライン講習は、47都道府県津々浦々で実施されている……というわけではない。免許更新時の安全講習のオンライン化も、言わば実証実験の段階だ。
しかし、該当地域に住む人々にとっては大きなインパクトを与える話である。
オンライン講習は、専用サイトでマイナンバーカードによる認証を用いることでアクセスできる。が、これまでは実施地域においても優良運転者にしかアクセスできないものだった。
ここで一度、優良運転者と一般運転者の条件についておさらいしよう。
継続して免許を所持している期間が5年以上、なおかつ無事故無違反の場合は優良運転者、3点以下の減点が1回の場合は一般運転者に区分される。それよりも違反を重ねた場合は「違反運転者」だ。
この区分の違いで、講習の内容も大きく異なることは読者の皆様もよくご存じだろう。優良運転者は30分、一般運転者は1時間、そして違反運転者と初回更新者は2時間という講習時間である。しかしそこへオンライン講習という選択肢が出てくると、「安全運転を心がけたほうが後々面倒なことをせずに済む」という意識が強く芽生えるのではないか。
オンライン講習後は必ず免許センターへ
ここで、読者の皆様に断っておかなければならないことがある。
この記事では「運転免許証更新時の講習をオンラインで受講できる」ということを解説しているが、それは試験場や警察署に赴く必要はないということでは決してない。オンライン講習を済ませた後、更新手続きのために必ず試験場等に足を運ばなければならない。
が、それを加味しても「講習がオンライン化される」というのは嬉しい話である。
筆者などは徹頭徹尾リモートワークだから、やろうと思えば仕事の合間にオンライン講習を受講することも可能だ。ライターでなくとも、そうした選択肢を実行できる職種は他にあるはず。「運転免許証更新のために仕事を半日休む」という行為自体が「過去のもの」になる可能性もあるだろう。