お笑い芸人レインボーのジャンボさんは、仲間づくりが上手い芸人さんとして知られている。
厳しい上下関係が存在する芸能界で、敵を作らず、誰とでも気軽に付き合える「人間関係の達人」と言われるジャンボさんに、コミュニケーション術について聞いてみた。嫌いな上司との付き合い方や伝わるワードセンスなどをアドバイスしてもらおう。
良いところだけ見て自分からは嫌わない
――仕事をスムーズに進めるためにも 職場や取引先とのコミュニケーションは大切ですが、初対面の相手と仕事をする時など、どうしたらよいでしょう。
ジャンボさん 俺、よくコミュニケーションが上手とか、後輩芸人とかに言われたりしますけど、自分では案外そんなことないと思ってて、職業柄そう(コミュニケーションが上手に見えている)なのかなという感じだと思うんですよ。
接点のない人と会ってみて、やっぱり嫌な人と感じたら、たぶん顔に出ちゃってると思う。相方の池田直人からもよく言われるんです、「顔に出てるよ」って。だから、逆に、「うわ、 この人嫌い」と思ったらもう関わらないようにして、距離を取るようにしているんですけど、プロジェクトを組まされたりして、どうしても距離が取れないような人とか絶対いるんですよね。嫌いでも一緒に仕事しなきゃいけないみたいな。
そうなったらもう、そのいいところ、めっちゃ見るようにしてます。自分からは絶対に、相手を嫌いにならないようにしてます。ともかく、良いところだけ見ようって。
今、こんな風に嫌な人だけど、この人だって、ちゃんと結婚もされてて(してないかもしれないけど)、家族もいて(いないかもしれないけど)、生活の中でいろいろ嫌なこととかもあったかもしれない。そんな人を、俺みたいな呑気な男が、嫌いになってどうすんだよ、とか思ったりもします。
バイト先で嫌なお客に出会っちゃって、不愉快に感じても、その人の一面しか見てないと考える。だって、家ではすごいいい人かもしれないし、寝たきりのお母さんをずっとお世話しているかもしれない。いろいろ抱えて、頑張って生きてんのに、すぐに「嫌なヤツ」と決めちゃダメだとか思ったりしましたね。だから、その人と嫌なことがあっても、その人の存在そのものというか、全部が嫌なんじゃない、って考えるように、めちゃくちゃ気を付けてます。