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なぜ市川市はパナソニックと協定を結んだのか?自治体が抱えるEV普及に向けた課題

2023.11.02

2023年10月27日、市川市とパナソニックが「EV用充電インフラの整備促進及び啓発に向けた協定」を締結しました。

協定に署名する、市川市 田中 甲市長(左)、パナソニック株式会社 副社長執行役員 エレクトリックワークス社 大瀧 清社長(右)

市川市は、千葉県の北西部にあります。江戸川を隔てて東京都(江戸川区・葛飾区)に相対していて、東京都心から約20km圏内にほぼ市全域が含まれる、令和5年9月30日現在で人口29万2835人を数える通勤・通学に便利な市です。

同市は2030年に二酸化炭素排出量50%以上削減と、2050年に二酸化炭素排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指しており、産官学連携の強化を図っています。

そんな中、交通における二酸化炭素削減のため、今回、パナソニックと協定。充電インフラのシェアリングサービスを活用して、市川市とパナソニック両者が協働で、充電インフラや電気自動車の普及推進に取り組むこととなりました。

なぜ市川市はパナソニックと協定を結んだの?

市川市は産官学連携で、2050年のカーボンニュートラルに向けて取り組んでいくのですが、ではなぜ今回、パナソニックと協定を締結したのでしょうか?

パナソニックグループは「2050年に向けて、『パナソニック グリーン インパクト』により3億トン以上の二酸化炭素排出量削減を目指す」(大瀧社長)としています。

そのために、3つのアプローチを掲げています。

1つ目は、自社バリューチェーンでの排出削減「OWN IMAPACT」。
2つ目は、既存事業による社会への排出削減「CONTRIBURIPON IMPACT」。
3つ目は、新事業・新技術による社会への排出削減「FUTURE IMPACT」の実現です。

パナソニック エレクトリックワークス社は、電化、エネルギー効率の向上、脱炭素エネルギーの普及を拡大。中でも電化においては、既存事業ではEV充電器の製造や販売を推進すること、新規事業としては社会課題解決に向けた共創型コミュニティ「everiwa」の構築と、充電器シェアリングサービス「everiwa Charger Share」を展開することを、表明しています。

今回、市川市と協定を締結したことで、「everiwa no wa 市川Action」が始動しました。こちらは、「インフラ整備」と「意識啓発」の両輪で市川市のEV化を推進するもので、まずは、充電インフラ整備を公共施設で実施。また、EVのあるくらしを身近に感じる機会として、2023年「いちかわ市民まつり」でEVからの給電体験を実施するなど、市民啓発の環境を整えていく予定となっています。

さらに、共創型コミュニティを市川市で広げていくために、アクションパートナー企業と共創で活動を推進していきます。

左から、株式会社みずほ銀行 常務執行役員 牛窪 恭彦氏、市川市 田中市長、パナソニック エレクトリックワークス社 大瀧社長、損害保険ジャパン株式会社 執行役員 藤中 麻里子氏

みずほ銀行は、everiwa Charger Shareの決済システムである「everiwa wallet」の提供と、同行の顧客基盤を活用してeveriwaコミュニティの発展に貢献、みずほ銀行市川支店のお客さま向け駐車場にEV充電設備を導入するといったアクションが予定されています。

また、損保ジャパンは、EVチャージャーのシェアリングプラットフォーム向けの専用保険を提供すると共に、損害保険代理店網を活用し、市川市内でのEVチャージャーホストとEVユーザーの拡大に向けて取り組む予定となっています。

everiwa Charger Shareの充電スポットを市内8か所で展開

パナソニックエレクトリックワークス社は、2023年10月27日以降の協定を市川市と締結しました。その間に、公園、公民館など8か所の公共施設へeveriwa Charger Shareの充電スポットを導入することになっています。そして、利用状況などのデータを回収・解析して、今後のEV活用拡大のための基盤としていく予定です。

実際に、市川市役所 第1庁舎の地下駐車場では10月27日より、「everiwaの充電スポット」がオープンしました。

こちらは、Bluetoothを介して、EV充電器とスマートフォンがアプリにより連携。

充電器側のインターネット回線不要で、200v 3kWの充電器によりEVへの電力供給を行います。

支払いは、前にご紹介したeveriwa walletを利用。everiwa walletへのチャージは、銀行口座やクレジットカードから簡単に行うことができます。

市川市から全国へ

田中市長は「EV車が普及していく中で、『市川市は非常に便利だ』と評価されるような対応をしていきたい」と今後の抱負を述べています。

また、パナソニックエレクトリックワークス社も、市川市が初のeveriwa no wa提携自治体であり、市川市での成功を果たし、「『安心してEV保有できる街』を全国へ展開していきたい」(大瀧社長)と期待しています。

今回、市川市とパナソニックが連携し、EV車利用の拡大が図られましたが、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、日本はもちろんのこと、世界中でその活動が活発になっていくことが予測されます。

「everiwa no wa」という名前を目にされても、みなさんにはまだ縁遠い存在かもしれません。しかし、今後数年のうちに、日本や世界のあちこちでこの文字を目にすることが増えていくのではないでしょうか。その頃には、みなさんも実際にEVを運転し、EVチャージャーのシェアリングを利用しているかもしれません。これからの発展に注目してみてはいかがでしょうか?

取材・文/中馬幹弘

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