2015年にSDGs(持続可能な開発目標)が採択されて以来、さまざまな環境・社会問題を解決するための取り組みが活発になっている。
では、SDGs及び関連項目に対する人々の認知・理解度、そして生活意識は今どれほど高まっているのだろうか?
ADKマーケティング・ソリューションズはこのほど、2008年より関東・関西地区の男女15-79歳10,000名以上を対象として毎年実施している「ADK生活者総合調査」の最新版「ADK生活者総合調査2023」より、『SDGsに関する意識レポート』を発表した。
「SDGs」のワード認知率は、初めてすべての年代で80%に到達
SDGsという言葉について知っているかを聞いたところ、「知っている」と回答したのは、昨年から1.8ポイント上昇し全体で82.9%となった。年代別で見ても、すべての年代で認知率が上昇し、いずれも80%を超える結果となった。(図1)
また、SDGs以外の関連ワード認知率は、「LGBTQ+」「カーボンニュートラル」「フェアトレード」が40%を超え、中でも「LGBT理解増進法」が今年6月に成立、施行されるなど報道露出機会が多かった「LGBTQ+」が52.6%と、昨年から12.2ポイントの大幅な上昇となった。(図2)
SDGsに取り組む企業の商品・サービスへの利用意向は高い傾向にあるが、積極的な行動にはまだ結びついておらず、20ポイントのギャップ
「SDGsに積極的に取り組んでいる企業の製品・サービスを利用したい(=利用意向)」に当てはまるか聞いたところ、48.5%があてはまると回答した。一方、「SDGsを達成するために、自ら積極的に行動している」に対しては28.5%の回答に留まり、利用意向と比べて20ポイントの大きなギャップがあることがわかった。(図3)
SDGs実現に向けた行動喚起や、商品購入をためらう原因は?
SDGsの実現に向けて、行動を変えたり、商品・サービスを購入したりすることを妨げるものを選んでください、と聞いたところ「商品・サービスの価格が高い(56.1%)」「手間や時間がかかり面倒(27.4%)」となり、生活者側に負担や手間がかかると認識されていることが障壁として挙げられた。(図4)
また、SDGs実現に向けて行動を起こすために、企業はどのようなことをしたらいいと考えていますか、と聞いたところ、「CO2排出量や削減量の見える化(43.6%)」「貢献できる商品・サービスの開発(40.4%)」「行動に対するポイント付与(37.7%)」などが挙げられ、生活者にとってわかりやすく“成果が示されること”や“貢献できるもの”などが求められていることがわかった。(図5)