一時に比べ、ブームの勢いは落ち着いているものの、子育て世代の女性を中心に「ハンドメイド」が人気だ。
ハンドメイドとは、主に手作りの雑貨やアクセサリーを指す。ネットやマルシェで販売し、本業や副業としている人も多い。長く続くブームを受けて、100円ショップ各店もハンドメイド用品を充実させている。
今回はその中でも、ダイソーのグルーガンを紹介しよう。
ホームセンターの10分の1以下のびっくり価格
グルーガン(glue gun)の、グルーは接着剤、ガンは銃の意味。つまり、銃のかたちをした接着剤塗布デバイスを意味する一般名詞である。これにグルースティックという、熱に溶けて糊材となる素材を差し入れ、溶かしながら接着面に塗って貼りつける。
ハンドメイドの分野でグルーガンが活用される場面は多い。装身具、リース(花や葉の輪飾り)、インテリア小物など多岐にわたり、七つ道具の一つと言ってよいほど。需要を反映して価格帯もさまざまなグルーガンが販売されている。
例えば、筆者の近所のホームセンターにあるグルーガンは約2700円。これが、その隣のダイソーでは220円のものが売られている。「そんなに安くていいの?」と、思わず疑ってしまいそうな価格だが、実用性の面で果たしてどうなのだろうか。実際に入手して、使ってみた。
まず思ったのは、以前別の記事で紹介したキャンドゥのグルーガンと似ていること。細かい部分で差異はあるが、全体としてみればそっくり。価格はキャンドゥの方が330円と高いが、それでも超格安。それが220円ともなれば、逆にちょっと不安になりそう。
キャンドゥのグルーガンは、おまけ的にグルースティックが2本ついていたが、ダイソーの方はない。7.5mm径のグルースティックを別途購入する必要がある。このグルースティック、カラーが白、黒、乳白色(半透明)、ラメの4色展開でダイソーにて手に入る。ラメ以外は20本入り、ラメは15本入りでいずれも110円。消耗品ながら、かなりコスパのいい商品となっている。
ダイソーのグルースティック(黒と乳白色)
実際に使用してみたところ…
では、使い方をみてみよう。まず、グルースティック1本をグルーガンの後部からさし入れる。グルーガン本体からは1mのコードが延びており、コンセントにさす。数分して本体が加熱され使用可能となる。トリガーを引くと、本体の先端から溶けたグルースティックが出てくるので、接着面に塗布する。
グルーガンで接着できる素材は、紙、布、フェルト、革、木、発泡スチロールと幅広い。ハンドメイドのクリエイターにもてはやされるのは、凹凸やざらつきのある面にもよく接着するからだ。逆に、通常の接着剤が活躍する平滑な金属などはあまり向かない。
試しに布と布、紙と布、プラスチック同士など様々な素材の組み合わせで、接着してみた。思った以上に接着スピードは速く、そして接着力が強いことがわかる。下の写真は、合成繊維のフリース布に、ポリプロピレンの毛玉を接着したところだが、グルーはしっかりなじみ、すぐにしっかりと定着した。
さて、いろいろやってみて、グルーガンにはグルーガン特有のコツがあることをつかんだ。接着スピードは速いというのは、グルーが乾くのが速いということでもあり、手早い接着作業が求められる。また、ダイソーのグルーガンは、黙っていてもノズルからグルーが、少しずつ垂れてくる。これを避けようとグルーガンを上向きにしてしまうと、グルーが本体内部に逆流し、故障・発火の恐れがあるから注意が必要だ。
垂れるのがもったないという気持ちから、一度ならず焦って作業をして指にグルーをつけてしまい、低温やけどになった。トリガーを何度も押さないようにしてグルーの垂れを抑え、それでも多少のロスは仕方ないと割り切って使うのがいいだろう。
ただ置いているだけでグルーが垂れてくる…
使う前は「どうかな~」と疑念があったダイソーのグルーガン。使ってみて、価格の割にちゃんと使える製品だと前向きに評価できる。ヘビーに使い倒すのでなければ、おすすめできる一品だ。
■商品詳細
商品名:グルーガン
価格:220円
原産国:中国
材質:本体はポリプロピレン、ノズルはアルミシリコン、ヒーターはPTCセラミック
商品サイズ:縦約12cm×長さ約12cm×厚さ約2cm
種類:―
商品ページ:https://jp.daisonet.com/products/4549131300895
■商品詳細
商品名:グルースティック
価格:110円
原産国:中国
材質:合成樹脂100%
商品サイズ:径0.75cm×長さ10cm
種類:黒、白、乳白色、ラメ(ラメのみ15本入り、ほかは20本入り)
商品ページ:https://jp.daisonet.com/products/4549131300888
撮影・文/鈴木拓也