100均で販売されているイヤホンの高性能化がとまらない。
110円の「可もなく不可もなし」な有線イヤホンも健在だが、それよりも少し上の価格帯となると、「家電量販店の低価格帯のイヤホンに負けていないのでは?」と思えるほど。今回は、キャンドゥにあるイヤホンの中から、「これは」と思えるおすすめを3つ取り上げよう。
目次
4つのスピーカーで臨場感を生む「高音質デュアルドライバーイヤホン」
まず、「デュアルドライバーって何?」という疑問がわき出るかもしれない。そもそも「ドライバー」とは、スマホなど音源から来た電気信号を音に変換する部品。つまり、イヤホンの中でも最重要のパーツであり、正確にはイコールではないが、説明書きには「スピーカー」と記されている。
「デュアル」は、ここでは2つの意味で、要するに片方に2つのスピーカーが備わったイヤホンとなる。それぞれが独立して音を出す構造となっており、普通のイヤホンに比べて、高音質、クリアかつ臨場感のあるサウンドを楽しめるというふれこみ。
それ以外の点をカタログスペックで見ると、ケーブル長は1.2m、リモコン・マイク付き、3.5mm径ステレオミニプラグ対応と、昨今の安くて至れり尽くせりの100均イヤホンと同程度のものがある。
気になるのは、330円というデュアルドライバーイヤホンとしては、相場より1桁も安い価格帯。それで「高音質」はあり得るのだろうかと、YouTuberの声からクラシック音楽まで、いろいろ聴いて確認してみた。実際の話、同価格帯の100均イヤホンと比較すれば、やや良いという印象。言い換えると、ひときわ優れているとも言えず、高音域が強い一方、低音域が弱い、解像度はまあまあといったところ。辛口寄りになってしまったが、この価格を考えると、とても頑張っている商品だ。
■商品詳細
商品名:高音質デュアルドライバーイヤホン
価格:330円
原産国:中国
材質:ABS、TPE、銅、メッキ
商品サイズ:縦約24mm×厚さ13mm×ケーブル長1200mm
種類:黒、白
商品ページ:https://ec.cando-web.co.jp/item/4560348443496
軽くて使いやすい高機能の「Bluetooth Ver.5.0ワイヤレスイヤホン」
こちらは、先ほどの製品の2倍の価格となる660円のイヤホン。「ワイヤレスイヤホン」といっても、「完全」なワイヤレスではなく、左右の本体がフラットなワイヤでつながっており、音量調整や通話を行うリモコンが挟まっている。音源デバイスとペアリングしてBluetooth通信で接続するのは、完全ワイヤレスイヤホンと同じだが。
短いUSBケーブル(microUSB端子)が付属しており、充電はこれで行う。音楽再生時間は5~8時間、通話時間は3~5時間と、電源の持ちがいいのは魅力的。
筆者は、ふだんは完全ワイヤレスイヤホンを使用しており、ワイヤがぶら下がるタイプに最初は抵抗感があった。実際につけてみると、自重が軽いおかげでさほど気にならない。また、イヤーピースの収まりもよいが、これは個人差があるだろう。
では、肝心の音質について。この種の製品としては珍しく、パッケージには「高音域がクリア」といった宣伝文句は一切ない。音声や楽曲を聴いてみての印象では、低音域がよく、高音域が弱い。やや音がこもりがちなので、動画音声や語学教材のツールとして考えるとコスパ十分な一品だろう。
■商品詳細
商品名:Bluetooth Ver.5.0ワイヤレスイヤホン
価格:660円
原産国:中国
材質:ABS、エポキシ樹脂、PVC、銅、シリコン
商品サイズ:本体は幅14mm×縦23mm×厚さ23mm、ケーブル長は60cm
種類:白、黒
商品ページ:https://ec.cando-web.co.jp/item/4571316964615
1100円ながら機能充実の「Bluetooth完全ワイヤレスイヤホン」
キャンドゥでは、ワイヤは1ミリもない真のワイヤレスイヤホンが1100円で販売されている。公式オンラインショップでは、現在「入荷待ち」となっており、店頭でも品薄のところがあって、その人気ぶりがうかがえる。
筆者は、ダイソーの同じ価格の完全ワイヤレスイヤホンも所有しており、比べると外観はよく似ている。
ダイソーの完全ワイヤレスイヤホンとの外観比較
主要スペックも、ハンズフリー通話ができるなど、ダイソーのイヤホンとおおむね同じ。充電は、収納ケース内蔵のリチウムポリマー電池に対して行い、そのためのUSBケーブル(microUSB端子)が付属する。ケースの満充電まで約2時間。その上でイヤホンをケースに入れておけば、イヤホンが約1時間で満充電される仕組み。
連続待ち受け時間は約70時間に対し、再生時間が約2時間しかなく、約12時間もつダイソーのイヤホンと比べてかなり短い。その分、頻繁な充電が必要なわけで、ここが購入のボトルネックとなるかもしれない。
音質については、動画サイトで話す人の声は甲乙つけがたく、ダイソーのイヤホンともども申し分ない。音楽では、キャンドゥのほうが高音域で優れている印象を受ける(ダイソーでは割れ気味)。もっとも、透明感のある高音質かといわれれば微妙で、ここはどうしても価格相応という感想にとどまらざるをえない。それでも、安くても数千円台が相場の完全ワイヤレスイヤホンのジャンルにおいて、本製品はかなり健闘している。
■商品詳細
商品名:Bluetooth完全ワイヤレスイヤホン
価格:1100円
原産国:中国
材質:本体はABS、シリコン、鉄、ネオジウム磁石、ケーブルはPVC、鉄、銅
商品サイズ:イヤホン:長さ約22×幅約13mm×厚さ約12mm、ケース本体:奥行41mm×幅63mm×厚さ29mm
種類:黒、白
商品ページ:https://ec.cando-web.co.jp/item/4560348444547
撮影・文/鈴木拓也