ホンダが2011年に発売したスーパーハイト系軽自動車のN BOXは、以来、ホンダのドル箱モデルとして人気爆発。2017年に2代目へバトンタッチし、その完成度の高さ、クラス最大級の室内空間の広さに加え、年々改良された先進運転支援機能や走り、特に乗り心地の改善、魅力的な特別仕様車の追加などから、その人気は不動のものとなり、直近の2022年の暦年国産車、軽自動車販売台数NO.1を記録。2023年に入ったモデル末期でも売れ行きの勢いは衰えることを知らなかった。
N BOXの3代目がついに登場
そして2023年10月、N BOXの3代目が登場した。しかし、どこから見てもN BOXそのもの。実は、プラットフォーム、NAとターボを揃えるエンジン、CVT、パッケージまでもが、2代目からキャリーオーバーされているのだ。その理由は明白。変える必要がないほど、2代目N BOXが完成されていたからである。そもそも1代目から2代目になったとき、プラットフォームなどを含め、約90%が新設計されていたというから驚きだ(70kgの軽量化も果たしている)。これはモデルチェンジとして異例で、ヒット作となった初代に続く2代目は、通常、初代で新設計されたプラットフォームなど、多くを流用するのが一般的だ。ガラリと変えるのは人気車の継承としてリスクがあり、またコスト的にも不利だからである。つまり、2代目で大革新をしたのだから、3代目に多くの部分をキャリーオーバーしても商品性にまったく問題なし、というホンダの判断ということだ。
なお、先代にあった標準車のターボモデルは消滅。標準車はNAエンジンのみ。カスタムはNAとターボを用意するモデルバリエイションとなった。
もちろん、各部に新しさが詰め込まれている。まずはエクステリアデザインだが、カスタム系は先代からの見た目の変更は最小限(イメージとして)。
むしろ印象を大きく変えたのが標準車。フロントグリルに小さな穴を無数に開けた、一目で新型と分かるデザインになっている。細かい点では、テールゲートの開閉レバーの位置を70mm低くしたことが新しい。テールゲートの質感向上に加え、小柄な人でも開けやすく、さらに開ける際、手前に大きく跳ね上がるテールゲートが体に接触しにくいメリットをもたらしているのだ。
インテリアは乗り込んだ瞬間に新しさを感じさせてくれる。その理由はまず、ホンダ軽自動車初の7インチ液晶メーターを備えたこと。そしてセンターディスプレーはタブレットのような8インチHonda CONNECT対応のナビ、オーディオが用意され、とくに前席での新鮮度が目覚ましい。