「乗りたい未来を、探しに行こう!」をキャッチフレーズに、これまで2年に1度の開催だった東京モーターショーが、コロナ禍の中止をはさみ、4年ぶりに「ジャパンモビリティショー」(JMS)として名称変更され、2023年10月28日から11月5日まで東京・国際展示場で開催されている。
ここでは、東館に展開する国産自動車メーカーの注目車、コンセプトカー、プロトタイプを紹介したい。
スズキの「スペーシアコンセプト」
まずは11月の発売直前にお披露目されたスズキの「スペーシアコンセプト」。じつは、ほぼ市販車の状態での出展で、標準車がスペーシアコンセプトで、カスタムがスペーシアカスタムコンセプトとされている。
プラットフォームやパッケージは2代目の現行型を踏襲しているのだが、デザインモチーフを先代の「スーツケース」から「コンテナ」に変更。それはボディサイドのキャラクターラインで表しているという。機能面での新しさは、純スズキ車初の電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能を備えていること。合わせて先進運転支援機能、ACCなども進化。なんとクラス初のカーブ手前減速制御まで盛り込まれている。
そしてインテリアの大きな特徴が、後席に「マルチユースフラップ」という、シート前端が分離して動き、立てることも伸ばすこともできる機構を用意したこと。主目的は、「マルチユースフラップ」を立てることで後席に置いた荷物がフロアに落ちずに済むことだが、それだけではない。「マルチユースフラップ」を伸ばせば、シート座面が長くなり、軽自動車の後席座面が短い!!と感じていた大柄な人も、これでより快適な着座が可能になるというわけだ。同時に、大型犬などのペットの乗車にもメリットがありそうだ。
会場にいた開発責任者の方に話を聞けば、後席の静粛性、後席を倒した時のラゲッジルームのフラット度(自転車の積載容易性のため)にもこだわっているというから、新型の発売が楽しみだ。打倒N BOXも夢じゃないかも知れない(販売店数は大きく違うが)。
スズキのブースでは、ほぼ次期スイフトとなる「スイフトコンセプト」も登場している。