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語り継がれる藤井聡太八冠への道のり、初タイトルからの3年を振り返る

2023.11.01PR

1996年に羽生善治九段が達成した「全七冠」から約27年。今その伝説が21歳の若き王者・藤井聡太の手によって変わろうとしている。400年続く将棋の歴史を初タイトルから3年で塗り替えようとする藤井の偉業を振り返る。

天才から最強棋士へ。その歩みは止められない

 史上最年少となる14歳2か月のプロデビュー。負けなしのまま29連勝を達成し、それまでの最多連勝記録を更新。藤井聡太がこのうえない船出を飾ったのは、2016年末から翌年の夏にかけてのことだった。あの熱狂から、もう7年の月日がたとうとしている。

 伏し目がちだった14歳の少年は、堂々とした21歳の青年に成長した。タイトル戦に出て和服を着るようになったあたりから、背中の広ささえ感じさせる風格も備わってきた。視界良好、順風満帆。右肩上がりの〝藤井曲線〟である。

 藤井の成績が驚異的なのは、戦うステージが上がっても年度勝率が落ちてこないところだ。

 下位で勝ちまくった若手棋士が上位に来ても、強者同士のつぶし合いに巻き込まれ、勝率を下げるというのがよく見る構図。しかし藤井は年度勝率8割以上を常にキープしており、通算勝率は8割3分。もはや規格外の存在としか言いようがない。

 初めてタイトルに挑戦、獲得したのは2020年の棋聖戦だったが、そこまでの勝ちっぷりから見たら遅すぎたくらいだろう。実際に相手の渡辺明棋聖(当時)も、いよいよ来るべき時が来たというニュアンスのコメントを残している。

 タイトル戦は五番勝負で3勝、七番勝負は4勝先取すれば決着となる。仮に3勝1敗だったとすると勝率7割5分、4勝1敗で8割なのだから、通算8割3分の藤井が普通に力を発揮できれば結果がついてくるのは自然なこと。以降の番勝負で挑戦、防衛に失敗せず勝ち続けているのも、決して上振れの結果とはいえないのである。

 2022年度は一般棋戦でも勝ち続け、NHK杯初優勝をはじめ4棋戦の完全制覇を果たした。負けると終わりのトーナメント形式であることに加え、ミスが出やすい早指し戦でこれだけ勝ち続けられるのは、突出した実力があってこそだ。

 さらなる成長もある。以前は相手より早く持ち時間を使い切ることも多かったが、最近はそういう場面が減っている。それは判断力が上がり、ゲーム運びがうまくなったことの証左だろう。

敵は自分自身。強くなり続ける藤井

 藤井はすばらしい結果を出し続ける一方で、勝負の前に結果にこだわった発言をすることがない。永瀬拓矢王座は藤井を「極度の負けず嫌い」と評したが、その激情は勝敗や相手ではなく、ミスをした自分に向けられる。もちろん勝てばうれしいはずだし、そういったコメントもするが、第一に求めるのは自身の向上なのである。

 複数のタイトルを保持して挑戦者を待つという現在の図式も、さらに成長していくうえで好都合といえるかもしれない。

 タイトル戦をはじめとする重要な対局が次から次へと組まれ、全国各地のみならず海外にも転戦する藤井は自由になる時間が非常に少ない。まだ21歳と若く何より睡眠時間を大事にするタイプだから体力面はさほど心配しなくてよさそうだが、将棋の研究時間を確保できているかどうか。この多忙ぶりでは恐らく、自身の対局を振り返って精査することや、定跡の導線を整備しておくくらいしかできていないように思われる。

 そういう状況では、かつて羽生善治九段が七冠制覇に向かっていた時もそうであったように、本番の対局そのものや感想戦を学びの場にするのが最も効率がよい。タイトル戦挑戦者は勢いがあって充実している棋士であり、何より自分を倒すためにとっておきの秘策を引っ提げてくる。魚群を求めて航行しなくても、向こうから栄養満点の成長の糧が寄ってきてくれるのだ。谷川浩司十七世名人が「みんなで課題を与え、寄ってたかって藤井さんを強くしている」と言ったのはそういう意味だろう。

 四段の時、藤井は「できれば棋士として、羽生先生が七冠を取られた頃と同じレベルまで行きたい」と話していた。今その言葉が現実のものになろうとしている。

〝将棋を突きつめていくこと、強くなることが使命〟───藤井聡太

藤井聡太14歳2か月という最年少プロデビュー記録から七冠達成までの藤井聡太が持つ最年少記録数は22にのぼる。

藤井聡太

藤井聡太七冠王者までの道のり

タイトル初挑戦時から2023年10月2日現在までのタイトル獲得率は驚異の100%。最年少記録を築き上げ続けてきた藤井が突き進む「全八冠」への道を当時のコメントでたどった。

藤井聡太七冠王者までの道のり1

 

藤井聡太七冠王者までの道のり2

2023年9〜10月
王座戦五番勝負 対永瀬拓矢王座 → 史上初の八冠へ

藤井聡太七冠王者までの道のり

取材・文/後藤元気 写真/日本将棋連盟

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