地域別〜15年ぶりに全9地域で前年同期を上回る 4地域は2019年度上半期超え
地域別にみると、上半期としては2008年度以来、15年ぶりに全9地域で前年を上回った。このうち、『北海道』(前年同期96件→118件、22.9%増)、『東北』(同147件→225件、53.1%増)、『関東』(同1167件→1552件、33.0%増)、『九州』(同231件→358件、55.0%増)の4地域では、コロナ禍前の2019年度上半期の件数を超えた。
『北海道』は、「建設業」(同10件→28件)の大幅増が全体の件数を押し上げた。『関東』は、「東京」(同578件→795件)の大幅増もあり、全体でも上半期としてはコロナ禍前の2019年度(1517件)以来の1500件超えとなった。
『九州』は、「卸売業」(同21件→48件)などで増加が目立った。『東北』は、上半期としては2019年度(207件)以来4年ぶりに200件超えを記録した。
このほか『近畿』(同789件→1033件、30.9%増)は「小売業」(同139件→245件)が前年同期から7割以上増えた。特に「飲食店」(同58件→102件)の増加が目立った。
注目の倒産動向〜ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産
■2023年度上半期は324件発生、喪失総額は600億円に迫る
2023年度上半期の「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」は、324件(前年同期205件、58.0%増)発生、年度半期ベースで過去最多を更新した。また、実際の融資額が判明した約330社のゼロゼロ融資借入額の平均は約5800万円となり、「不良債権(焦げ付き)」に相当するゼロゼロ融資喪失総額は推計で約596億1700万円にのぼった。
注目の倒産動向〜人手不足倒産
■2023年度上半期は135件発生 年度上半期ベースで初の100件超え
2023年度上半期の「人手不足倒産」は、135件(前年同期66件、104.5%増)だった。前年同期から倍増、年度上半期ベースで初の100件超えとなり、通年で過去最多を大幅に更新する見込み。業種別では、『建設業』(51件)が最も多く、『サービス業』(31件)、『運輸・通信業』(23件)が続いた。
注目の倒産動向〜後継者難倒産
■2023年度上半期は287件発生、年度半期ベースで過去最多
2023年度上半期の「後継者難倒産」は、287件(前年同期232件、23.7%増)だった。前年同期を55件上回り、年度半期ベースで過去最多を更新した。
また、「経営者の病気・死亡」による倒産が全体の約4割を占めるなど、後継者の選定ができずに代表者が活動できなくなり倒産となった企業が目立った。