「飼いサポ」の入会金と年会費について
松本 「飼い主サポート新潟」からのサポートを受けるためには会員の申し込みと入会金(初回のみ)11,000円、年会費13,200円(税込)発生するとのことですが、この入会金・年会費の使途について教えてください。
また、入会は新潟県以外の方でも可能なのでしょうか?
三浦さん 入会金・年会費の使途ですが、パンフレットや会報の作成・印刷などの実費に使っています。現在、私を含めて役員が4名(両角さん、秋山さん、浅野さん)、アドバイザーの平先生、社員1名(上田さん)がおりますが、運営に関しては全員がまったくの無報酬です。
ただ、将来的には、ペットのケアマネ、ペットのアドバイザー、ペットのコンシェルジュなど、何かしらの社会的・専門的なポジションを作り、あとに続く世代には給料を払えたらと考えています。急増している問題なので、携わっている人が無償や薄給で続けるには限界があります。
入会は県外の方でも可能です。ただし、県内の会員と同質のサービスは行えないと思います。
松本 ご丁寧な説明、ありがとうございます。
それともう一つ、寄付・寄贈の受付も行っているとのことですが、この寄付・寄贈は県外の方が提供することは可能なのでしょうか?
適切に運営されている団体には個人的に寄付を行っている方も大勢いらっしゃいますし、気になる部分かと思います。
三浦さん こちらも県外の方も可能です。ただし、私たちがまだ公益財団法人等ではないので、寄付控除はありません。ご注意ください。
寄付の用途は、ご要望がなければ、分配先は県内の動物愛護行政や民間愛護団体などに回しますし、「飼いサポ」も運営費が±ゼロになるくらいいただけると非常に助かります。
高齢者でもペットを飼ってもいい!万が一の準備をしていればトラブルも防げる!
松本 私も現在、飼い猫4匹と暮らしておりますが、今年に入って身内が施設に入ることとなり、飼っていた亀を引き取ることとなりました。高齢者とペットの生活には本当に不安が多いものだと気付かされた次第です。
最後になりますが、現状ペットと暮らしているものの、先々が不安に感じている飼い主さんに向けて、飼い主サポート新潟さまの方から、何かメッセージをいただけますとさいわいです。
三浦さん 4匹とは、すごいですね! 亀さんまで!
高齢者がペットを飼ったらいけないのではなく、万が一のときに準備をしていないから問題になる。ご自身も慌てるし、周囲にも迷惑を掛けて、ペットも不幸になるというトラブルが起きるのです。
万が一の準備をして、ちゃんと飼っていれば、大船に乗った気持ちで安心ですし、ペットも幸せで、それが飼い主さんの生きがいや喜びとなって健全な暮らしが維持できます。私自身もそうなりたいと思ったからこそ、「どうぶつがかり」や「飼いサポ」の設立につながりました。
実際に、ほとんどの飼い主さんが入院しても普通の方々よりも早く帰ってきますし、ペットのために辛いリハビリにも耐えて日常生活に復帰しようとします。
最後に、ご高齢の飼い主さんへのメッセージですが、日頃から、相談ができる仲間や場所をたくさんつくっておくことです。また、一度は専門家の話を聞いてみるとよいと思います。
日頃から悩みを相談できる友人を作っておき、それでも困ったら専門家集団の「飼いサポ」に頼るという選択もアリでは!?
ということで、今回は一般社団法人「飼い主サポート新潟」代表の三浦さんにインタビューをした内容をこちらでご紹介させていただいた。
人の寿命も伸びているが、ペットの寿命も年々伸びているので、どうしても年齢を重ねるといざという時に無理が生じやすくなり、ペットのお世話もままならなくなることは考えられる。
現在ではそういった場合のサポートを買って出る愛護団体も多くなっているが、三浦さんのお話にもあったように、悲しいかなペットは法律上モノ扱い。
法律の壁を突破するには、法律の専門家の意見も聞くことが可能な「飼いサポ」を頼るというのが、現状一番無難かもしれない。
さらに今後はこの活動に影響を受けた後継者が各地で名乗りを挙げてくれることも期待したい……。
文/松本ミゾレ