新しく生まれた言葉の中には、「意味はわかっても由来を知らない」「どういう場面で使うのかわからない」と感じるものも少なくない。「オワコン」もそんな言葉の一つだ。数年前まではテレビやインターネット上で頻繁に見かけたものの、最近は使う人が減っているため意味を知らない人も多いだろう。
そこで本記事では、「オワコン」の意味と由来、正しい使い方に加えて、混同に注意したい同音異義語や、英語での表現についても解説する。
「オワコン」は「終わったコンテンツ」を意味するインターネットスラング
「オワコン」は「終わったコンテンツ」を略した言葉だ。2010年頃からインターネット上で自然発生的に使われるようになった俗語(スラング)の一つで、「以前は流行していたが現在ではブームが去り、流行遅れとなったコンテンツ」を意味する。
なお、コンテンツとは「情報の中身」のこと。映像・文字・音楽・ゲームといった作品や、記事・書籍の内容、各種のデータなどを幅広く指す言葉だ。
「オワコン」の由来(語源)は2ちゃんねる
「オワコン」が生まれるきっかけとなったのは、インターネット掲示板の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)と言われる。少し前までファンの間で人気が高かったアニメ作品やライトノベル作品に対する「◯◯は終わったコンテンツ」等の書き込みから生まれたとする説が有力だ。
2パターンある「オワコン」の使い方
「オワコン」の使い方には2種類ある。言葉の本来の意味に即してコンテンツに対して使うケースと、本来の意味とはずらしてコンテンツ以外の対象に使用するケースだ。
コンテンツに対して使う場合は、特定の作品などを指して「◯◯はオワコン」という使い方をする場合が多い。
一方、コンテンツ以外を指して「オワコン」と言う場合は、「希望が持てない」や「時代に即していない」といった発言者の気持ちを言い換える表現として使用される。たとえば、「人生オワコン」「結婚はオワコン」「サラリーマンはオワコン」などが代表的な使用例だ。
「オワコン」を人に使うのはあり?
「オワコン」は、芸能人やYouTuberなど特定の個人に対しても使われる場合がある。流行や人気に左右されやすい職業だけに、流行遅れを意味する「オワコン」が使われがちな一面はあるが、「オワコン」自体はネガティブな意味を持つ言葉であるため、名誉毀損や誹謗中傷とみなされる可能性がある。有名人・一般人を問わず、人に対して「オワコン」という言葉を使うことは避けたほうが良いだろう。
「オワコン」は死語?
「オワコン」は2010年頃に生まれた言葉で、流行から10年以上が経過している。年月が経つにつれて言葉の使用頻度も下がってきているため、最近の若い世代には「オワコン」という言葉そのものを知らない人も多いかもしれない。
世代を問わず相手とスムーズなコミュニケーションを図りたい場合は、「オワコン」という俗語に頼りすぎず、「流行遅れ」や「時代遅れ」といった一般的な表現に言い換えるのがおすすめだ。
混同に注意!コンクリートの「オワコン」とは?
一般的にはインターネットスラングとしての「オワコン」がよく知られているが、特定分野の同音異義語にも「オワコン」がある。知識として知っておくと、混同を避けられて便利だろう。
雑草対策など外構のDIY施工に向くコンクリート製品「オワコン」
コンクリートの「オワコン」は、静岡に拠点を置く有限会社長岡生コンクリートが開発したコンクリート製品だ。雑草対策などで家の駐車場や外構(外回り)部分に敷きつめることを想定し開発されている。透水性があり雨水が溜まらない点や価格が安い点がメリットだ。
「オワコン」を英語で言うと?
英語で話す機会や英文をやり取りする機会がある場合は、「オワコン」の英語表現もチェックしてみよう。
「オワコン」の英語表現
「オワコン」を英語で表現する場合は、「終わったコンテンツ」を直訳するのではなく、「時代遅れ」「流行遅れ」という単語や慣用句に置き換えて訳そう。“out of date”(古い、時代遅れの)“outdated”(古い)“out of style/fashion”(流行遅れの、流行らなくなった)」などを使うと、言葉の示すニュアンスを正確に伝えることができておすすめだ。
文/編集部