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充分すぎる装備を考慮すれば高くない!?キャデラックのミドルサイズSUV「XT4」の完成度

2023.10.29

 日本国内でのアメリカ車の存在は、かなり希薄になっている。2000年代に入った時はクライスラー、フォード、GMが次々に新型車を投入していた。しかし、フォードが日本市場から撤退して、クライスラーもジープだけを残し、GMはキャデラックとシボレーを日本市場に投入している。新興勢力としてはテスラがEVメーカーとして頑張っている。

 今回は、アメリカでは高級車メーカーとして知られているキャデラックのSUVに試乗した。「XT4」はキャデラックが初めて、ミドルクラスに参入したSUV。キャデラックといえば、エスカレードのようなフルサイズのラグジュアリーSUVの知名度が高いが、実は最新技術を投入したミドルサイズSUVも独自の魅力を秘めている。

最新技術を投入したキャデラックのミドルサイズSUVの魅力

 キャデラックがこのクラスのSUVを初めて作るにあたり、これまでにない手法からスタートした。それはエクステリアデザインを若手のデザイナーにまかせたこと。伝統あるキャデラックとしては、大英断。見方を変えれば、若いユーザーを獲得したかったのだ。高級車キャデラックもアメリカ本国でのユーザーの高齢化が問題になっていたのだ。

 こうして生まれた「XT4」は、本国では2018年3月に初代がデビューした。日本市場に導入されたのは、2021年のことだ。若手デザイナーが担当したボディーは、フロントのロービームとハイビームとデイタイムランニングライトにLEDを採用し、キャデラック独自のL字ライトが存在感を強調している。全体のプロポーションはシャープで彫刻的なラインで構成されている。ボディサイズは全長4606mm、全幅1875mm、全高1625mm、ホイールベースが2775mmなので、ホイールベースの長いレクサス「NX」というイメージだ。アメリカ車だが、日本の道でも十分に使える大きさではある。

 運転席に座ってみる。運転席は左ハンドルだ。実は「XT4」は左ハンドル仕様が正式輸入されている。個人的には日本の道は自動車や歩行者は道路の左側を通行していることが多いので、左ハンドルのほうが、より歩行者や自転車との距離がわかりやすいので、狭い道では安心感が持てるので、個人的には好きだ。

 着座位置はSUVなので高めだが、運転席に座るとドアウインドウや計器類が高めにセットされているので、沈みこんだようなポジションになる。室内はロングホイールベースの恩恵もあって、広い。素材もトリム表皮、上質な素材を組み合わせたインサート材、本革シートなどの細工もていねいで、高級感がある。このあたりのつくりの良さは、アメリカ車でも高級車ばかりをつくり続けてきたキャデラックらしいところ。

 快適性も各シートでの温度を調整するデュアルゾーン空調システムや全席で最適なオーディオサウンドが効けるBOSEの13スピーカー、音源の制御とアクティブノイズキャンセレーション技術を使った静粛性を実現している。

 安全性も、アメリカ車のトップレベルを注ぎこんでいる。しかも大半が標準装備だ。レーダー、カメラ、センサー技術を駆使している。そして、パワーユニット。新設計の4気筒2.0Lガソリンターボは、230PS、350Nmを発生するが、低負荷時には2気筒休止を実施。ミッションは9速AT、ツインクラッチの4WDも搭載されている。このシステムで必要に応じて後輪へのトルク配分をゼロにできるので、フリクションの低減にもつながっている。

広い車内でのんびりとドライブするのにピッタリのSUV

ドライビングモードは4モード。ツーリング/AWD/スポーツ/オフロード。ツーリングはFF車だ。ツーリングモードで走り出す。4気筒、2.0Lターボエンジンは、スタートからトルクが太く、軽快に走ることができる。1800回転あたりからのレスポンスがよい。ターボだからといって、一気にグンッと加速するのではなく、トルクが全体に厚い感じだ。2.0Lエンジンでのこのあたりの低回転トルクの出し方はアメリカ車らしい部分だ。

 コーナーでは、操舵力はやや重めで、きりこむのにやや抵抗感もあり、FF車らしさをちょっと感じる。この動きはモードをAWDに切り替えれば、操舵力の重さは残るが、ハンドリングのクセは消える。乗り心地はツーリングモードでも細かいゴツゴツ感はなく、中速域での路面のうねりに対する上下動の大きさが残るぐらいだ。ここはAWDのほうが安定、安心感がある。

 室内は、ロングホイールベースのおかげで、広く、開放感がある。とくに後席は足元のトンネルやコンソールの張り出しは大きいのだが、空間が広いので、圧迫感もなく、快適。後席の背もたれは4対6で前倒し、荷室とほぼフラットな床面になる。荷室は広く、サブトランクスペースはスペアタイヤの周囲の空間が使える。

 2.0Lガソリンターボは実走で7~11km/Lとやや大食いだが、広い車内でのんびりとドライブするのにピッタリのSUVだ。左ハンドルを苦にしないのなら、レクサス「NX」あたりとライバルになるアメリカ車だ。試乗したスポーツグレードは653万円~。充分な装備を考慮すれば、高くない買い物だ。

■関連情報
https://www.cadillacjapan.com/suvs/xt4

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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