数ある大企業の中で、もっとも「ウェブサイト」の価値が高い会社とはいったいどこだろうか?
トライベック・ブランド戦略研究所はこのほど、「Web Equity 2023」の調査結果から、12業界246企業・ブランドについてデジタルメディア(公式サイト、SNS公式アカウント、公式アプリ)の事業活動への貢献度を算出し、ウェブサイト価値ランキング2023として発表した。
「ウェブサイト価値」は、デジタルメディアが企業や商品の認知度やイメージ、好感度などのブランド醸成にどの程度貢献しているかを評価した「情報価値」と、製品・サービスの売上にどの程度貢献しているかを評価した「売上価値」を合算したもの。
「情報価値」は、企業のデジタルメディアにおける各コンテンツの推定閲覧者数から算出した「閲覧価値」と会員登録やSNSのフォローといったコンテンツ閲覧後にとられる様々な行動から算出した「行動価値」の合算になる。
ウェブサイト価値ランキング2023
ウェブサイト価値で1位は「全日本空輸(ANA)」で947億円となった。今回調査において、航空・レジャー業界は観光需要の急速な回復による売上価値の増加はもちろんのこと、コロナ禍以降の新たな消費者ニーズを的確に捉えたデジタル戦略により、情報価値も向上傾向となった。
その旗手ともいえる「全日本空輸(ANA)」は、2022年5月にアプリ「ANA Smart Travel」を発表した。同アプリでは、航空券の予約・購入からオンラインチェックイン、国内線の空港での空席待ち手続き、機内でのデジタル新聞・雑誌の購読など、顧客の旅体験をデジタルによって進化させている。
また、コロナ禍の旅行者激減を経て、新たなユーザー接点の模索を続けており、その足掛かりとしてもデジタルメディアを活用。2022年5月に公式サイトをリニューアルし、「ショッピング&ライフ」のメニューを設け、航空利用者はもとより「『ショッピング』を目的とするユーザー」をターゲットとして見据えた。
その後、2022年10月には公式アプリ「ANAマイレージクラブ」を刷新。航空利用やホテル予約などさまざまなサービスを提供するミニアプリへのゲートウェイ機能を持たせ、顧客体験の統合プラットフォームとしてローンチした。
同アプリは2023年、ショッピングでマイルが貯まるECモール「ANA Mall」や、モバイルペイメントサービス「ANA pay」を新たに搭載。買い物、決済など生活のさまざまなシーンでのアプリ利用を促し、オールインワンの「スーパーアプリ構想」を軸に航空利用に限らない顧客とのタッチポイント強化を推し進めている。
ウェブサイト価値は昨年から242億円増加、2020年以来3年ぶりのトップとなった。
以下2位「日本航空(JAL)」(864億円)、3位「ユニクロ」(823億円)、4位「日本マクドナルド」(680億円)、5位「トヨタ自動車」(678億円)と続いた。