ラディウスは、重低音が特徴のイヤホン「VOLT」シリーズから、ワイヤードイヤホン「HP-NHR41」を10月下旬より販売開始。価格はオープンで、店頭予想価格は33,000円前後。カラーはブルーグレーとブラックの2色を用意する。
ドライバーの構造や振動板の材質を一新した「VOLT」シリーズのハイグレードモデル
「HP-NHR41」は、ラディウスの豊かな低音再生技術を象徴するアイコン的な存在である「VOLT」シリーズのハイグレードモデル。ドライバーの構造や振動板の材質を一から見直し、ポテンシャルを最大限に引き出す独自のアコースティック構造を随所に取り入れることで、精密な描写力と深い重低音を実現したというワイヤードイヤホンだ。
最大の注目ポイントは、PEI(ポリエーテルイミド)振動板のドーム部にグラフェンをコーティングしたダイナミックドライバーを採用したところ。
PEIは一般的なPETと比較して、密度が小さく軽量であり、内部損失が大きいため音響特性に優れているうえ、ドーム部には軽くしなやか。ダイヤモンドを超える強度を持つグラフェンをコーティングすることで、ローリングなどの偏った振動を抑制するとともに、伝搬速度を向上させ、繊細に伸びる高音とトランジェント特性に優れた、切れのある艶やかな中低音を再生できるという。
また、音を劣化させることなく送り出すために、TPE製の「アコースティックダンピングオプティマイザー」を搭載しているのも特徴だ。
「アコースティックダンピングオプティマイザー」では、音波の伝達経路であるフロントハウジングの内部空間の容積を最適化し、肌に近い硬度のTPE素材により、音質に悪影響を及ぼす経路内での不要な反射を軽減。
しかも、ドライバーユニットからポート出口までを同一直線上に配置するアキシャル(同軸)構造を採用することで、音波のロスを極限まで抑え、ドライバーユニットのポテンシャルを最大限に引き出すとしている。
さらに、音響工学の原理に基づき、効果的に音質を調整するために、「レゾナントティンバースカルプター構造」を採用。緻密に設計されたチャンバーとエアダクトを備えたバックハウジングは、ドライバーユニット背面で発生する気流によって「ヘルムホルツ共鳴」を誘発し、その共振周波数を活用したチューニングを施すことで、特に高音域における伸びやかな響きと固有の音色を実現するという。
もちろん、装着感にもこだわっており、人それぞれ異なる耳の形や大きさに柔軟に対応できるよう、イヤーポートに設けた突起によりイヤーピースの装着位置を2段階で調節可能な「アジャスタブルポート」を採用。
一般的なイヤーピースと比較して耳のより奥の広いエリアでフィットする独自形状により、密閉性の向上と安定した装着感を実現する「ディープマウントイヤーピース」も同梱する。
このほか、純度99.9999%(6N)以上の単結晶銅導体を使用した着脱式のMMCXコネクタケーブルを採用しているのも特徴。単結晶銅は、特別な鋳造方式により音声信号伝送方向の結晶粒界(結晶同士の隙間)をなくし、不純物の混入等を低減した導電性に優れる極めて純度の高い導体で、一般的なTPC(タフピッチ銅)と比較して、伝送ロスが少なく、高いSN比により、出力される音声の解像度の向上が期待できるとのことだ。
主な仕様は、出力音圧レベルが114±3dB(@1KHz/126mV input)、再生周波数帯域が5Hz~50,000Hz、インピーダンスが16Ω±20%。質量は約15g(ケーブル含む)。ディープマウントイヤーピース(XS, S, M, L)×各1セット、ケーブルクリップ、イヤホン収納ケースなどを付属する。
製品情報
https://www.radius.co.jp/products/hp-nhr41/
構成/立原尚子