不動産投資は初期投資が高く管理が大変と思われがちだ。しかし、NISAを活用できるREITをはじめ、手軽かつ安く不動産の資産運用ができる制度は豊富にある。
初期投資が安く、リスクを抑えて1万円〜数十万円で大家になれる!手軽に始められる新たな不動産投資術をピックアップした。
3種類の投資商品を活用して手軽に不動産投資しよう
不動産といえば高額かつ維持管理が大変で、投資初心者からは敬遠されがちだ。しかし、安価で手軽に不動産投資できる手段がいくつか存在する。そのひとつがJ-REITだとアイビー総研代表取締役社長の関大介さんは解説する。
「1口数万円から購入できるうえ、運用の手間もかかりません。多数の不動産から構成されており、リスクの分散もされています」
J-REITは不動産投資の入門編として適しているという。
「不動産運用のノウハウを学びつつ資産も形成できます。ほかにも資産の分配先として使えますし、これまで積み立て枠でしか購入しなかった初心者が新型NISAの成長投資枠で買う銘柄としてもオススメです」
注意すべき点として金利上昇に弱い点などがある。
「賃貸収入は短期では増加しないので、株などと比べて相対的に魅力が減りがちです。加えて、コロナ禍のような外的要因で株価が急落することもあるため、慌てず堅実に運用することが重要です」
新しい不動産投資の形として、不動産クラウドファンディングや不動産小口化商品も注目されている。
「J-REITと異なり個別の物件への投資ができますが、自分で積極的に情報を取りに行く必要がある、中~上級者向けの商品といえます」
自分の投資歴や力量にあわせて、これらの不動産投資をうまく活用し、より豊かに資産を運用しよう。
アイビー総研株式会社
代表取締役
関大介さん
2007年にJ-REITをはじめ不動産投資コンサルティングなどを行なうアイビー総研を設立。著書に『J-REIT【日本版不動産投資信託】 最新格付けデータブック』など。
【新投資術1】J-REIT(不動産投資信託)
REITとは、投資家から集めた資金で多数の賃貸不動産を購入し、その賃貸収入などを投資家に分配する投資商品のこと。日本のREITは頭にJをつけてJ-REITと呼ばれる。
J-REITのメリット
・利益の大部分が分配される ・NISA枠で購入可能 ・分配金の安定性が高い
複数物件の家賃収入を分配する仕組みになっているため、分配金の安定性が高いというのが一番のメリットです。また利益のほぼ100%が分配されるため、利回りが高いことも強みです。現物不動産に比べて投資単価も低く、NISA枠での購入も可能です。
おすすめ銘柄[1]三菱地所物流リート投資法人
〈オススメPOINT〉
人口減の中でも需要があり続ける業界として、物流は要注目です。その中でも大手企業の三菱地所が保有する物流拠点のREITなので安心感は抜群。利回りとしても平均水準の4%台で安定しています。
おすすめ銘柄[2]平和不動産リート投資法人
〈オススメPOINT〉
再開発事業やビルの賃貸・運営などを行なう平和不動産がスポンサーです。増減を繰り返しながら増配傾向をたどる銘柄が多い中、ここは安定して増配し続けている数少ない銘柄のうちのひとつです。今後も増配傾向が続くことが予想されます。