まな板といえば、木製やプラスチックなど素材とサイズは思い浮かべるが、便利な機能がプラスされているタイプを探す人は、少数派ではないだろうか。実は、今までの調理のちょっとした悩みを解決してくれる機能がプラスされた個性的なまな板が登場している。シンプルなアイテムなだけに、ちょっとした機能がプラスされただけで使い心地がぐっとアップするようだ。今回はそんな、抜群に使い勝手が良くなっているまな板を紹介する。
まな板の選択肢が少ないことから開発された貝印のまるいまな板
まるいまな板 カラー:グレー、ホワイト サイズ:S(25cm)M(30cm)L(35cm) 価格:S 1,540円、M 1,980円、L 2,640円(すべて消費税込み)
刃物を中心に調理用品のほか化粧道具、衛生用品も手がける貝印で見つけたのが、「まるいまな板」だ。まな板といえば、長方形のタイプを真っ先に思い浮かべる人が多数いるように売り場にも、長方形で白っぽいタイプが陳列されている。その選択肢が少ないことに着目し開発されたのが、この「まるいまな板」だ。なぜ、まるという形になったのか、貝印に尋ねてみた。
「商品企画部のメンバーは、主婦社員が多いこともあり、料理をする人が多いのですが、まな板を使っているときの悩みとして、ネギやキャベツなどの大きい食材を切ると、横にはこぼれないのですが上に食材が溢れやすいという点があげられました。その悩みを解決するにはどんな形状がいいだろうと試作品を形状別に作った結果、一番使いやすかったのが、こちらの形状でした。」(貝印広報)
発泡スチロールを使用したモックアップ(試作品)では、取っ手の有無、まん丸、かまぼこ型、D型など、さまざまな試作品を試したそうだ。まるいまな板とはいえ、まん丸ではないところも、使い勝手を重視したデザインということだ。
長方形より奥行きがあり食材が溢れ落ちにくい。
今まで長方形のまな板を使っていると、丸くなるとどうなるだろう感じるが、奥行きがあるためゆったりとスペースを使用することができる。また、まるい板を回転させることで、切った食材をそのまま、まな板の上に仮置きしたまま使用でき、ボウルなど別の器に食材を置く必要がなく、洗い物を減らすことができる。
安定して立てかけられる。
まん丸ではなく、下に直線部分があるため、転がる心配なく立てかけられるのも便利だ。また、フック穴もあり、吊るす収納も可能だ。
食材が滑りにくいエンボス加工が施されている。
カット面は、表と裏で2種類のエンボス加工がされていて、食材によって使い分けができる。また、周囲には滑り止め加工もされている。3サイズ展開で調理台に合わせて好みの大きさが選べる。一辺の長さが均一のため、シンクで洗いやすいという。確かに、長方形のまな板を洗うときにシンクへの収まりがいいのは、ストレスを軽減してくれそうだ。
キッチンの色に合わせて選べるホワイトとチャコールグレーの2色展開。まるい形状を活かして、ピザやお好み焼きなどの円形の食べ物は、まな板の上でカットして、そのままお皿として食卓にも出せるという優れもの。これは、サイズ違いで揃えておくと洗い物がかなり減らせるのではないだろうかと感じた。
ハンドルプラスで調理中も収納時も便利に
耐熱抗菌 ハンギングまな板 サイズ:M(29.3×21.1×1.2cm)L(38×26×1.6cm) 価格:M 2,420円、L 2,860円(すべて消費税込み)
まな板はやはり長方形が好みという場合には、同じく貝印の「耐熱抗菌ハンギングまな板」も、プラス機能があり使いやすそうだ。平置きすると、まな板の端に色が違う部分があるだけのように見えるが、黄色い部分を立ち上げることでハンドルになる。
ハンドルがあることで持ち上げやすい。
食材を切って、鍋に入れようとするとまな板を持ち上げなければいけないが、キッチンの調理台から、まな板を浮かせるときに食材によっては転がり落ちることもある。ハンドルがあれば、水平に持ち上げることができ安心だ。
自立するため収納場所を選ばない。
まな板を片づけるときには、このハンドル部分を立てることで自立し、水切り、乾燥も行えるため、収納場所にも困らない。MとLの2サイズ展開。
取材協力/貝印
https://www.kai-group.com/
人気のタイプ!半月タイプのまな板
スペースを無駄なく使える半月まな板 サイズ:約28×32×3cm 価格:1,980円(消費税込み)
探してみると円形のまな板は増えているようだ。シービージャパンから販売されている「スペースを無駄なく使える半月まな板」は、その名の通り半月型だ。丸型の手前部分がカットされた形状で、こちらも長方形のまな板に比べ、面積が広く、奥行きがあるため、切った食材をまな板の奥の部分に置いたまま、ほかの食材をカットすることもできる。ほかの器を出すことなく、洗い物も減らせる。
片面のふちに溝があり、水漏れを防いでくれる。
まな板の周囲に溝がある面と溝がなくフラットな面があり両面使用可能。半月型で立てかけることもできる。
お皿として、そのままテーブルにも。
溝の内面は、お皿として使うこともできる。食材をカットし、そのままテーブルに出すことができ時短にもなる。食器洗浄機や熱湯消毒もでき、お手入れも簡単。抗菌加工も施されている。
・シービージャパン
https://cb-j.com/
逆転の発想!まな板にもなるお皿
チョップレート カラー:ブラック、ストーングレー サイズ:S(直径17.4cm 高さ0.7cm)M(直径22cm 高さ0.7cm)L(直径26cm 高さ0.7cm) 価格:S 1,870円、M 2,970円、L 3,850円(すべて消費税込み)
まるくすることでキッチンだけでなく、テーブルでもそのまま使えるまな板。その逆の発想で生まれたのが、クリエイティブユニットTENTと大阪のプラスチック成型加工メーカー川辺商会が試行錯誤して作り上げた、まな板になるお皿「CHOPLATE(チョップレート)」だ。
どんな食べ物を置いても絵になると大好評で口コミだけで累計枚数6万枚を突破したシリーズだ。17.4cmの小皿、22cmの中皿、さらに26cmの大皿と表記され、名前の通り、カットすることができるプレートだ。
チーズのカッティングボードなどにも活用できる。
キッチンで本格的に調理するためのまな板ではないが、デザートのフルーツやケーキを切り分けるときなど、お皿の上で切るわけにはいかないため、まな板を出し、切った食べ物をお皿に移す。当たり前のように行うが、食べ終わった後、食器とまな板両方を洗わなければいけない。
また、テーブルに出したものの、少し大きくカットしすぎたから追加でカットしたい場合なども、そのままカットできて便利だ。ホームパーティーなど、飲みながらおつまみを追加する場合など、重宝しそうだ。洗い終わったら食器棚にしまえるのも便利。
・CHOPLATE
https://tent1000.com/choplate/
なんとなくの感覚で、まな板は長方形が当たり前と思っていたが、まるくなることでスペースの有効利用ができるなど、利便性が上がるけでなく、キッチンとダイニングがボーダレスになり両方で活用できるとは目からウロコ。収納スペースも限られるなか、洗い物も減らすことができるとあれば、今後はさらに機能がプラスされたまな板を選ぶ人が増えるのではないだろうか。
取材・文/林ゆり