ビジネス用語として使われる「ブラッシュアップ」という言葉。話題のドラマのタイトルの一部として使用されるなど、日常生活でも身近に使われるようになってきた言い回しの一つでもある。
そこで本記事では、ブラッシュアップの正しい意味や使い方、似た意味で使われる「アップデート」「スキルアップ」との違いを解説する。ブラッシュアップの類語や英語表現もぜひチェックしてほしい。
ブラッシュアップとは
まず、ビジネス用語として使用される場合の「ブラッシュアップ」の意味を解説する。混同しやすい他の言葉との違いも併せてチェックしておこう。
■ブラッシュアップの意味
ビジネスシーンで使われるブラッシュアップは、知識や技術などを磨いてより良いものにすること全般を意味する。具体的には、企画や資料の内容を改善することなどを指す場合が多い。
なお、ブラッシュアップは英語の“brush up”をもとにした表現。しかし、英語の“brush up”は、主に「身なりを整えること」「錆びたものを磨くこと」などを表すために使われる場合が多く、日本のビジネス用語の「ブラッシュアップ」とは少しニュアンスが異なる。
■「ブラッシュアップ」と「アップデート」「スキルアップ」の違い
「アップデート」や「スキルアップ」は、ブラッシュアップと同様のニュアンスで使われるケースも多い言葉。しかし、それぞれの言葉には、本来以下のような意味合いがある。
・アップデート
PCやスマートフォン、アプリを最新の状態に更新すること。
・スキルアップ
業務に関する能力を向上させること、またそのための行動全般。
■使い方と例文
「ブラッシュアップ」は企画の立案や業務改善、スキル向上など、幅広い場面で用いることができる。
【例文】
「業務知識をブラッシュアップするため、自分で講座を受講している」
「海外赴任を前に、語学力のブラッシュアップを行う」
「プレゼン資料をわかりやすくするために、ブラッシュアップを重ねる予定だ」
「会議前に、企画をブラッシュアップして完成度を高めたい」
■ブラッシュアップを行う目的
ブラッシュアップは、業務や成果物の「質」を高めるために行われる。その際、チームメンバーなどの第三者の視点も交えながらあらゆる視点で検討を進めることで、精度を高めることができるはずだ。また、ブラッシュアップの過程で不足している点や改善するべき点が明確になれば、その後の業務の効率化にも繋がる。
「ブラッシュアップ」の類語と英語表現
次に、「ブラッシュアップ」と同じような意味合いで使える類語を見ていこう。
1. 錬磨(れんま)
技芸や学問などを鍛えて磨くことを指す言葉。
【例文】
「心身を錬磨するために修行の旅に出た」
「彼は百戦錬磨の男と呼ばれている」
「技術を錬磨するには、長年かかる覚悟が必要だ」
「精神を錬磨するために、滝行することにした」
2. 練る(ねる)
さらに良いものにするために内容を検討し、手を加えることを意味する表現。また、場面によっては、学問や技芸などを鍛えて磨くこと、修養・経験を積むことを指す。
【例文】
「この計画を練るには、企画全体を知ることが必要だ」
「彼女は文章を練るのが得意だ」
「技を練ることに集中したい」
「この大会結果は、彼が腕を練った成果だ」
ブラッシュアップの英語表現
先述の通り、英語の“brush up”は日本のビジネス用語「ブラッシュアップ」とは違ったニュアンスで使われるケースが多い。最後に、英語で「ブラッシュアップ」を言い表したい時に使える単語を2つ紹介する。
■refine
精練することや洗練すること、磨きをかけることを意味する表現だ。
【例文】
“He will refine aspects of his personality.”
(彼は趣味を洗練するつもりだ)
“My grandfather refined his personality.”
(私の祖父は人格に磨きをかけた)
“I am going to refine on my plan.”
(自己計画に磨きをかける予定だ)
“She is able to refine a skill or improve oneself.”
(彼女は腕や人間を磨くことができる)
■polish
磨くこと、仕上げること、推考することを表す言葉だ。
【例文】
“I will polish a speech.”
(私は演説文を練るつもりだ)
“He polished his skill.”
(彼は技や芸を練っていた)
“She polishes up her English.”
(彼女は英語に磨きをかけている)
“My grandmother will cut and polish jewels.”
(祖母は宝石を刻み、磨くつもりだ)
文/編集部