肉から始まったプラントベースフード(植物由来の原材料を使用し、畜産物や水産物に似せて作られている食品)拡大の波は近年、魚介類にも広がっているが、ついにプラントベースの卵まで登場した。作ったのは、年間に約42億個の卵を使用している、キユーピー(ちなみにこの量は、日本の年間生産量の約10%に相当するとか…)。
キユーピーはプラントベースフードの「HOBOTAMA(ほぼたま)」を2021年6月に、業務用として発売。一般の消費者からも購入したいという声が多かったため、2022年3月から、東京都、神奈川県、千葉県の一部エリア限定での通信販売を開始した。
市販用商品は、卵液と同じように加熱調理に使える「HOBOTAMA 加熱用液卵風」と、スクランブルエッグ風に仕上げている「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」の2品。どちらも冷凍の状態で配送し、内容量は卵1個分に相当する60gになっている。今後、順次販売エリアを拡大していく予定だという。
▲(左)「HOBOTAMA 加熱用液卵風」(内容量: 60g/参考小売価格 税込み 182円)、(右)「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」(内容量:60g/参考小売価格 税込み214円)
「HOBOTAMA 加熱用液卵風」をさっそくとりよせて、調理してみた
HOBOTAMAを購入できるのは、キユーピーのオンラインショップ「キユーミー」、もしくはAmazon。Amazonは通常のサイトでは在庫切れになっていたが、ネットスーパー「Amazonフレッシュ」では購入できた。
▲凍った状態で配送されるので、冷凍の袋のまま水につけて解凍、または冷蔵庫内で解凍して使用する
▲「HOBOTAMA 加熱用液卵風」の原材料で最も多いのは脱脂アーモンドパウダーで、次が植物性油脂
まずは、卵の味がダイレクトにわかるオムレツから試してみた。
解凍してボウルにあけたHOBOTAMAは黄色一色で、卵液のようなとろみがある。よく攪拌した卵液そのものだが、これが本当になめらかなオムレツになるのか、ちゃんと固まるのか、半信半疑で作り始めた。
■自分史上最高のオムレツができた!
HOBOTAMAに塩・胡椒をし、バターを溶かしたフライパンに入れると…。
普通の卵液のように、みるみる固まってくる。
仕上がりは、プロが丁寧に混ぜて裏ごしした卵液で作ったような美しい見た目と、絹のようになめらかな舌触り。卵特有の香り、甘さ、コクも感じられる!肉や魚のプラントベースフードは、調理に工夫をしないと「明らかに違う」とわかることが多いが、このHOBOTAMAに関しては、別次元の本物感だった。
オムレツの成功に気をよくしてフレンチトーストも作ってみた。
こちらもいつもより美しい仕上がりとなめらかな食感。公式サイトの「HOBOTAMA 加熱用液卵風のレシピ」ではクッキーやプリンなどのお菓子も紹介されている。プリンを作る時はいつも、なめらかな食感になるように卵液を濾していたが、「HOBOTAMA加熱用液卵風」はそのままでなめらかな食感なので、普通の卵よりもむしろ向いているかもしれない。