日々、社内はもちろん、飲食店や接待、出張などでも着用するスーツ。タバコや食べ物などのニオイがつくのは避けられない。日頃からスーツで人と対面する機会が多いビジネスマンとしては、ニオイが気になることも多いだろう。
そこで今回はスーツのニオイケアの方法を、印象コンサルタントとして多くの人のパーソナルコーディネートを行う森井良行氏に聞いた。ぜひ日頃のケアの参考にしてほしい。また最後にはスーツのニオイケアアイテムも紹介する。
スーツのニオイがつきにくい着用後の保管方法
森井氏は、これまで数多くの30〜50代男性ビジネスマン向けにパーソナルコーディネートを手がけてきた。その経験から、スーツのニオイケアの方法を手ほどきしてもらおう。まずはスーツを脱いだ後の、ニオイがつきにくい保管方法から。
●着用後はすぐにクローゼットにしまわない
「着用後のスーツは、すぐにクローゼットに入れず、しばらく風通しの良い場所にかけておきましょう。このときプラスチック製ハンガーではなく、木製ハンガーを使うのがポイントです。木製はスーツ裏地の湿気を取り除いてくれるで、ニオイのもとになるカビ予防に役立ちます。
雨に濡れた場合はなおさら、そのまますぐにクローゼットに入れてしまうと雑菌の繁殖が進んでしまいます。さらに、ウール糸から出る獣臭まで強調される可能性もあります。汗のみならず、雨に濡れたときもクローゼットに入れる前に乾かしましょう」
●間隔を開けて保管する
「クローゼット内にハンガーでスーツをかけるときには、ぎゅうぎゅうに詰め込まないようにしてください。汗臭やカビが、他のスーツや服に移る可能性もあるためです。服と服が触れない程度の距離を確保することを心がけましょう。ハンガーをかける部分の間隔が20センチ程度あれば十分です」
スーツのニオイをつきにくくする方法
森井氏は、スーツのニオイをつきにくくするための取り扱い方法について、次の2点を挙げる。
●ニオイがつきそうな環境では表地をさらさない
「スーツのニオイは、汗臭やカビ菌のみならず、タバコや焼き肉の煙臭も大きな原因となります。煙臭は、ウールの表生地についてしまうと強いニオイを発してしまうため、煙臭のある環境においては可能な限り、ジャケットを脱いで表地が内側になるように畳み、裏地も煙に触れない場所に置いておきましょう」
●1日着たら、2日ほど休ませる
「ウールは『呼吸する生地』と呼ばれており、シワを復元する力やニオイを分解するという特徴もあるといわれています。そのため、ウールのスーツは着用頻度が大切です。1日着たら、2日程度休ませることで、ニオイの分解を完了させられることでしょう」