「AIによる自動剪定技術」活用
NECの子会社で、新事業創出を進めるNEC X, IncからスピンアウトしたAIスタートアップ企業、Beagle Technology(ビーグル・テクノロジー)は、米国向けに映像分析技術とロボット制御技術を活用したブドウの自動剪定ソリューションを提供している。
農家の人手不足が大きな課題となる米国において、AIなど先進技術を活用した作業効率化により、人手の労働を削減する。
ロボットアームをトラクターの先端に取り付けて走行することで、カメラ映像からリアルタイムに剪定・芽摘みすべき適切な位置を特定し、走行と同時に自動で作業する。トラクターを運転するだけで、剪定・芽摘み作業を行うことが可能。
2022年に、ワイン用ブドウの剪定・芽摘みからスタートし、2023年9月現在、ワイン用ブドウは米国の大手ワイン用ブドウ生産者4社を含む6社以上、合計600エーカー以上で稼働中。
野菜に関しても米国トップ10に入る複数の生産者に導入され、トマト、レタス、セロリなどの収穫に利用されている。さらに、トマト収穫等農機具メーカー2社以上にOEM提供している。
※上記社数は、社名公開可能な件のみ。非公開の社数やエーカー数は非開示
●今後の展望
Beagle Technology創業者兼CEOのYang Fang氏は、今後の展望について次のようにコメントする、。
「実証では人手作業を25~35%削減することに成功しており、投資対効果の高さから昨年比10倍以上の発注をいただいています。農家による人手の作業は、剪定や芽摘み、収穫にとどまりません。今後は、さらに幅広い作業や作物に対応したアタッチメント型ロボットアームの品ぞろえを行い、AIによる農業の機械化と効率化を推進してまいります。
日本への導入予定は現時点ではありませんが、ご希望があれば、NECグループを通じてソリューション提供することを検討可能です」
すでにアグリテックは、人手不足や高い作業負荷に貢献していることは間違いない。今後は、さらに細かなニーズに応え、人々が積極的に有効活用しながら、さらなる生産性向上が叶うテクノロジーに期待したい。
文/石原亜香利