知ってた？スーツのパンツにあるプリーツの種類と選び方

スーツのパンツにあしらわれたプリーツには、どのような役割があるのでしょうか？複数あるプリーツの特徴とともに紹介します。パンツのプリーツの数や種類によってスーツの印象が変わるため、選び方についても知り、自分に合うものを選ぶのに役立てましょう。

スーツのパンツのプリーツとは

そもそもスーツのパンツにあるプリーツが、どのような目的を持つものなのか知らない人のために、役割について解説します。プリーツの歴史についても確認しましょう。

動きやすさを作り出すプリーツ

プリーツとは、パンツのウエスト部分から下方向に入っているヒダのことで、タックとも呼ばれます。プリーツには数種類ありますが、動きやすさを生み出すというのが主な役割です。

プリーツがあることで腰回りにゆとりが生まれ、動きやすくなります。椅子に座る際も、プリーツによって適度に生地が左右に広がるため、プリーツがないパンツと比べて窮屈さを感じないでしょう。

また、プリーツにより程よいゆとりが生まれ、シルエットをきれいに保てます。プリーツの種類によって印象が変わるため、着こなしのポイントにもなる存在です。

プリーツパンツの歴史

プリーツ入りのパンツは、1920年頃にイギリスで誕生したとされています。当時、オックスフォード大学の学生たちの間では、幅が広くストレート型の太めのパンツが人気でした。そのパンツに、動きやすさという機能性とシルエットをきれいに見せるというデザイン性を兼ね備えたプリーツが取り入れられたのが、始まりといわれています。

もともとは男性用のパンツに取り入れられたプリーツですが、女性用のパンツにも導入されるようになり、普及していきました。プリーツのないパンツが流行した時期もありましたが、近年ではビジネスからカジュアルまで、さまざまなシーンでプリーツ入りのパンツが着用されています。

パンツのプリーツの種類

(出典) pixta.jp

普段はあまり意識していない人も多いかもしれませんが、パンツのプリーツには数種類あります。具体的にどのようなものがあるのか、それぞれの特徴と併せて確認しましょう。

ワンプリーツとツープリーツ

ワンプリーツは左右に1本ずつ、ツープリーツは左右に2本ずつプリーツが入ったデザインです。ワンプリーツは伝統的なスタイルで、フォーマルで上品な着こなしになります。ビジネスをはじめ、あらゆるシーンで活躍するでしょう。

ツープリーツは、高級感のあるドレッシーな着こなしになります。ワンプリーツよりもゆとりがあるため、より動きやすいというメリットがあるでしょう。しかし、度を越したゆとりがあると、だらしなく見えるため注意が必要です。

プリーツの数はどちらがよいというわけではないため、自分の好みやトレンドに合わせて選ぶのがおすすめです。

アウトプリーツ

一般的にプリーツパンツというと、アウトプリーツのパンツを指します。プリーツが外側に向かって畳まれており、大半のプリーツパンツに採用されている形式です。リバースプリーツとも呼ばれており、イタリア製のスーツに多いスタイルといえます。

アウトプリーツはプリーツの開き具合が見えづらく、直線的なラインが特徴です。直線が強調されすっきりと見えるため、体形が気になる人でも着こなしやすいというメリットがあります。

インプリーツ

プリーツが内側に向かって畳まれているのが、インプリーツです。ほとんど見かけない時期もありましたが、近年は再び増加傾向にあります。

イギリスやフランスで作られるスーツに多いスタイルで、伝統的でクラシカルな印象を演出できます。体形にぴったりと合っていると、きれいな曲線で下腹部の膨らみを隠せるのがメリットです。また、アウトプリーツ同様に歩きやすく、機能性にも優れています。

スーツパンツのプリーツの選び方

(出典) pixta.jp

どのタイプのプリーツパンツを選べばよいのか分からず、悩む人は少なくありません。具体的にどのように選べばよいのか、意識したいポイントを二つ紹介します。参考にして自分に合うものを選びましょう。

体形に合わせて選ぶ

何よりもまず、自分の体形に合うタイプを選ぶことが大切です。例えば、細身の人にはプリーツなしやワンプリーツが向いています。下半身ががっちりした人には、ツープリーツが向いているでしょう。標準体形の人は、さほど種類を選びません。

プリーツパンツを選ぶ際も、体形に合うものを選ぶのが重要なポイントです。体形に合っていないと、プリーツが開いてしまって見た目が悪く見えるだけでなく、歩きづらい、座りづらいなど機能性も落ちます。

鏡で確認する際は、正面だけでなく、後ろや横からの姿も見るのがおすすめです。座ったり歩いたりして、機能性や着心地も確認しましょう。

ジャケットに合わせて選ぶ

手持ちのジャケットとのバランスで選ぶ方法もあります。タイトなジャケットにゆとりのあるシルエットのプリーツパンツを合わせると、バランスが悪くなるでしょう。

タイトな印象のプリーツなしのパンツには、すっきりとしたシングルのジャケットしか合わないと思っている人もいるかもしれません。しかし実際には、適度なゆとりであればダブルのジャケットとのバランスもよく、スタイリッシュな印象を演出できます。

また、モダンな印象やクラシカルな印象のあるジャケットには、ワンプリーツのパンツが合います。ラペルが広めのボリューム感のあるダブルジャケットには、ツープリーツがおすすめです。

構成／編集部