効率のよいEV/HV走行ができる
市街地を日常走るときは、EV走行のみ(約80~90km走行できる)で使い、遠出する時は、いつも走っている道を通るにしてもナビに目的地を入れれば、クルマがEVとHVの切り替えを最適に行なってくれるのだ。
このシステムは使いこなせるようになれば、効率のよいEV/HV走行ができることになる。EV/HV系の走行モードではなく、ドライブモードはセンターパネルのダイヤルで行なう。Eco/Sports・Sports+と、ダイヤルプッシュでNORMAL/CUSTUMが選択できる。先代のレクサスは、この選択ダイヤルはメーターカバーの外側に位置していたが、最新モデルは、センターコンソール付近に移動している。
2023年3月の一部改良で、ボディ剛性を向上させ、ボディ剛性の前後配分の変更による空力バランスの調整。さらにスプリング、アブゾーバー、EPSのチューニング、アブゾーバー、EPSのチューニングも行ない、タイヤサイズも20インチをメーカーオプションで設定した。
試乗車は235/50R20のブリヂストン「アレンツァ001」を装着していた。ちなみに「NX350」は2023年3月の一部改良でスタート時のアクセルレスポンスやトルク感を向上させ、エンジンやミッションの制御を変更することで、ドライバビリティを向上させている。こちらも試乗したが、2.4ℓターボは2000回転あたりからエンジン音が高まり、静粛性はイマイチだった。動力性能も「450h+」が0→100km/hの加速6秒台に対し、「350」は7秒台だった。燃費も実測で7~9km/ℓ台だった。
「450h+」はEV走行中はヒューンというメカニカルノイズが少しだけ聞こえるだけ。あとは静粛な室内で走行する。エアコンをONにしても航続距離は数kmしか低下しない。EVでのコーナリングは、電池の低重心でロールも少なく、ハンドルの切りこみもやや重めの操舵力で走り抜ける。最新のレクサスの足回りのスポーティさは光るものがある。ブレーキの効きも剛性感のあるしっかりとしたフィーリングを低速から高速まで保ってくれる。
100%充電で84km走行可能だったが、31kmをEVで走行し、充電メーターは8分の5まで低下した。そこで200Vでの普通充電を自宅で実行。充電ケーブルは荷台のサブトランクに入っており、取り扱いはラク。ケーブルを差し込むと、満充電まで3時間30分と表示された。2時間後に状態を見ると、「残り1時間20分で100%充電」と表示された。ここで、充電を中止したら、走行可能距離は76kmまで復活していた。
これなら、日常の使用でも十分。EV走行のみでほとんどのことがこなせそうだ。レクサスブランドのEVは、これからの進化が楽しみになってきた。
■関連情報
https://lexus.jp/models/nx/
取材・文/石川真禧照 撮影/萩原文博