日本のレクサスブランドにプレミアムミドルクラスのSUV、「NX」が加わったのは2014年のこと。「Premium Urban Sports Gear」をコンセプトに、都会を機敏に駆け抜ける走行性能と、SUVらしい力強いデザインが、世界各国から評価された。2022年12月時点で、90以上の国と地域で、約121万台を販売した実績を残している。2021年には次世代レクサスの第1弾としてフルモデルチェンジをし、電動化計画に基づいたモデルのプラグインハイブリッドをレクサスとして初めて導入している。このプラグインとハイブリッドの電動化率は、すでに50%を超えている。レクサスブランドの中で最も電動化が進んだモデルといえるだろう。
日常使用の多くの場面をEVモードのみで走り切るプラグイン性能
フルモデルチェンジ後のモデルは、エントリーグレードの直4、2.5ℓガソリンエンジンの「250」と、直4、2.4ℓガソリンターボの「350」、直4、2.5ℓガソリン+モーターのハイブリッドの「350h」、そして、直4、2.5ℓガソリン+プラグインハイブリッドの「450h+」がラインアップしている。駆動方式は「450h+」と「350」は4WDのみ。「350h」と「250」はFFと4WDの構成になる。
試乗は、プラグインハイブリッドの「450h+」Fスポーツ(735万5000円)。2022年3月の年次改良でフロントとリアのボディー剛性を向上させ、スプリング、アブゾーバー、EPSのチューニングも実施された。プラグインとしての性能は、日常使用の多くの場面をEVモードのみで走り切るという目標を揚げて開発した結果、EVの航続距離は約90kmを実現した。モーターは前182PS、270Nm、後54PS、121Nm。電池の総電力量18.1kwhだ。
試乗車は、走行距離が1000kmに満たない新車。それでも100%充電で走行可能距離は84kmを表示していた。これぐらい、EVモードで走行できれば、街中を1日中行動しても大丈夫そうだ。90km近くEVで走行できるのは他社と比べても凄い。
試乗はEVモードでスタートする。モードはEV、Auto EV/HV、HV、セルフチャージの4モードから選択できる。ユニークなのはAuto EV/HVモードで、ナビに目的地を設定すると駆動用電池の残量、道路の状況などをセンシングし、自動的にEV走行とHV走行を切りかえることでエネルギー効率の良い走りを行なうのだ。エアコン冷媒を利用した電池冷却システムや低温時に電池昇温システムを作動させ、電費、燃費の向上も行なってくれる。