業務をサポートするソフトウェア
運用中は、DJI Pilot 2を使用でき、RGB、点群、点群/RGBの2画面表示の3種類の表示モードに対応し、より直感的な方法で業務を遂行することがきる。
レーザー距離計をオンにすると、LiDARモジュールとFOVの中心にある対象物の間の距離情報にアクセスでき、飛行安全性が向上。また、反射率、高さ、距離、RGBのリアルタイム点群カラーコーディングに対応する。さらに、オペレーターは迅速に記録した3D点群モデルをプレビューすることができ、リアルタイムでオペレーションの進捗をモニタリングできる(※4)。
点群データを収集後、DJI Pilot 2は、ルートタスクの品質レポートを自動生成する。点群のプレビューやマージ機能を使用することも可能で、点群を現場で素早く確認できるので、データに異常があった場合は、再度その場で撮影することができる。
DJI Terraを併用すると、効率的で信頼性の高い、ワンストップでの点群の後処理を実行することができる。点群の軌跡計算が完了し、点群精度が最適化されると、一回クリックするだけで、標準フォーマットの3D点群モデルを生成。次に、グラウンドポイントを分類して、数値標高モデル (DEM)を作成し、その後、「精度コントロール/チェック」機能を使用して、点群の品質を分析できる。
1台でさまざまな産業に対応
DJI Matrice 300 RTKまたはDJI Matrice 350 RTKとDJI Terraを併用することで、Zenmuse L2は、土地測量、森林管理、主要資産管理、そのほか多くの産業での使用に対応する。
地形マッピングで使用すると、Zenmuse L2は、広いエリアを素早くマッピングでき、地形測量が素早く完了するだけではなく、最も重要となる正確性も確保した測量を実行する。
点群のRAWデータは、収集後、ワンストップで処理され、標準フォーマットの3D点群モデル、DEM(数値標高モデル)などさまざまな成果物を生成し、さらに詳細な計測に使用することができる。
森林管理業務においては、LiDARが樹冠を貫通することができるので、樹冠の幅や樹木の高さといった特徴を分析でき、森林の植物の生育状況を柔軟にモニタリングできる。
電力供給設備の点検業務では、写真測量手法を使用して、電線や部品のモデルを再構築することは困難だったが、Zenmuse L2を使用することで、点群データを効率的に収集することが可能となる。また、点検員は、植生と電線の隔離距離を計測し、潜在的なリスクを特定したり、点群データをもとに、自動点検タスクを計画したりすることができる。
販売時期と価格
DJI Zenmuse L2の先行予約は、DJI Enterprise正規代理店およびDJI CAMP ENTERPRISE L1(基礎講習)キャンパス(L2基礎講習準備中)で受け付ける。なお、製品の出荷は2023年10月末を予定している。
・DJI Enterprise代理店の所在地
・DJI CAMP ENTERPRISE L1(基礎講習)キャンパスの所在
推奨基本製品構成(バッテリーなどのアクセサリー類は含まず)は「Matrice 350 RTK+DJI Zenmuse L2+DJI Care Enterprise+オペレーター講習」で、参考価格は約350万から(LiDARの生データを解析するソフトウェアDJI Terra付き)。なお、MATRICE 350 RTKの参考価格は約100万円(バッテリーと充電器は含まず)となる。
※1 提示されているデータは代表値。レーザー光線の直径より大きいサイズの平面対象物に対して直角に入射し、大気の可視性が23 kmの環境で測定。低照度環境ではレーザー光線は最適な検知範囲を確保できる。レーザー光線が2つ以上の対象物に当たった場合は、レーザーの総伝送電力はそれぞれに分散されるので到達可能範囲は短くなる。最大検知範囲は500m。
※2 以下の条件で測定:Zenmuse L2をMatrice 350 RTK上に取り付け、飛行速度15 m/s、飛行高度150m、サイドラップ率20%、IMUキャリブレーション有効、標高最適化オフ、地形フォローオフ。
※3 各国より、満たす要件に関して異なる場合がある。
※4 3Dモデルは、スパース表現に基づいて処理されている。
関連情報
https://enterprise.dji.com/jp/zenmuse-l2
構成/立原尚子