DJIは、産業用ドローン「DJI Matrice 300 RTK」および「DJI Matrice 350 RTK」に対応した高精度空撮LiDARシステム「DJI Zenmuse L2」を発表した。
「DJI Zenmuse L2」は、2020年10月に発表された「DJI Zenmuse L1」の後継機。4/3型CMOS RGBカメラやアップグレードしたLiDARモジュールを採用したことで、精度が向上しており、「DJI Matrice 300 RTK」または「DJI Matrice 350 RTK」を使用する業務向けに、より高精度で高効率、信頼性の高い3Dデータを提供する。また、「DJI Terra」を併用することで、3Dデータ収集や高精度の後処理を実現するターンキーソリューションとなる。
信頼性の高いデータを正確かつ効率的に収集
LiDAR、独自開発のIMUシステム、4/3型CMOS RGBカメラ、3軸ジンバルを搭載し、DJI Matrice 300 RTKおよびDJI Matrice 350 RTKに取り付けることで、信頼性の高いデータを正確かつ効率的に収集することが可能。
土地測量、マッピング、電力供給設備点検、森林・インフラ管理などの業務において、大規模の3D空間データを短時間で取得することができ、従来の手動での計測技術と比較して、作業量を大幅に軽減し、現場の計測時間を短縮できる。
電源を入れてすぐに使用可能
独自開発の高精度IMUシステムが大幅に進化し、電源を入れるとすぐに使用することができる。また、ドローンのRTK測位システムと組み合わせて使用すると、後処理中にデータを統合でき、高精度の絶対位置情報、速度情報、姿勢情報にアクセスすることが可能。さらに、IMUシステムは環境適応性が強化され、運用信頼性や精度も向上している。
検知範囲と安全性が向上
検知範囲は、前モデルと比較して30%増加し、250m(反射率10%、100 klx)と450m(反射率50%、0 klx)の範囲で検知することが可能(※1)。標準飛行高度は120mまで伸び、業務の安全性と効率性が著しく向上している。
スポットサイズは、4×12 cm @100 mと前モデルの5分の1のサイズまで小さくなり、より小さな対象物を検知し、詳細な情報を取得して、より正確な数値標高モデル (DEM)を生成。5リターンにも対応し、より高い植生密度の環境でも、葉の下まで透過し、より多くのグラウンドポイントを捉えることができる。
シングルリターンモードと複数リターンモードの両方で、最大点群放射率240,000点/秒を達成し、より多くの点群データを一定時間内に取得することができる。
RGBマッピングカメラのセンサーには、4/3型CMOSを使用。メカニカルシャッターを備え、ピクセルサイズは3.3μmまで大きくなった。有効画素も20 MPに到達し、全体の画像性能が大幅に向上。より細部まで豊かに、点群をカラー表示することができる。
画像撮影の最小間隔は0.7秒まで短縮され、マッピングカメラのシャッター寿命は最大20万回となり、運用コストを大幅に低減。
LiDAR点群データ収集が必要ない場合でも、RGBカメラで写真や動画を撮影したり、RGBマッピング用に画像を収集することもできる。
DJIのフラッグシップモデルMatrice 350 RTKに取り付けると、1回の飛行で2.5平方キロメートルのエリアからLiDAR点群データとRGBデータの両方を収集することができ、運用効率が向上する(※2)。
標準的な作業高度150mでは、Zenmuse L2の3D点群モデルは、垂直精度4cm、水平精度5cmを達成し、1:500高精度地形マッピングの要件を満たす(※3)。