EV特有の静粛性を保ったままの加速
コーナーでも姿勢の安定感が向上していた。とくに「Sport」モードでの走りは、やや重めの操舵力とアクセルを踏みこんだ時の安定感は、かなりハイレベル。「UX」は前輪駆動だが、リア部分の強化は運動性能の向上にかなり有効だったに違いない。
EV走行に関してもスタートや加速中のメカニカルノイズは完全に抑えられている。最近のEVで流行している人為的な音づくりも行なわれていない。EV特有の静粛性を保ったままの加速が体感できる。
もちろん不満がないわけではない。例えば自宅での200V充電では、充電容量の変化がつかみにくい。これは充電量をガソリンメーターのように目盛りで表示してあるのと、航続可能距離が数字で示してあるだけだから。というのも航続可能距離の表示が、エアコンを作動させると一気に50km近く減ってしまうのだ。この数字の減少幅も大きいが、運転者の不安も大きい。やはり世界的潮流の%での表示も併記してほしいところだ。
充電に関しては、レクサスはディーラーに50kW以上の急速充電器や、150kWのレクサス充電ステーションを商業施設に設ける計画なので、これからに期待したい。「UX」はレクサスブランド最小のコンパクトSUVとして2018年11月にデビューした。すでに5年目を迎えようとしている。年次改良で、性能的にはアップデートされているが、インテリア設備のレイアウトなどは旧レクサス系のものが使われている。こちらのアップデートも実施してほしい。ドライブモードダイヤル、ETCの位置などいくつか気になった部分があった。
◆ 関連情報
https://lexus.jp/models/ux300e/
取材・文/石川真禧照 撮影/萩原文博