製造工程において信頼性と一貫性を確立するための分析手法などを詳述
この分野で初となる英国規格のガイダンスには、その製造工程において信頼性と一貫性を確立するために用いるべき分析手法、感覚的特性の期待値、分析対象物質の典型的な範囲、その他の技術的事項が詳述されている。
この規格では例えば、ウイスキーの望ましい色を含む詳細が規定されており、薄い黄色/黄金色から濃い琥珀色/マホガニー色までのカラメル色であることが定められている。
また、ウイスキーは木の樽(カスク)で3年以上熟成させなければならない、甘味料や添加物を使用することはできないとしている。
さらに、アルコール度数の最低値を40%とし、すべての蒸留はアルコール度数94.8%未満で行い、「蒸留液が原料由来の香りと味を持つ」ようにすべきだとしている。
熟成ウイスキーに添加できる化合物は水とプレーンキャラメルの2種類のみと規定。また、「ウイスキーノージング」のプロセスについても記述されているが、それに使用するグラスの形状までは規定しておらず、その代わりに「香りが溜まりやすいチューリップ型のグラスが最も人気が高い」とアドバイスしている。
他にも、パッケージングに関する重要な内容についても詳述されている。
たとえば、ウイスキーは動物性食品から作られるものではないが、ウイスキーを入れる前の樽で貯蔵されていた他のアルコール飲料の製造に動物性食品が使用されていた場合は、製品のラベル表示において考慮すべきといったアドバイスなどだ。
新規格は、BSI内部の専任技術委員会(※4)によって管理され、市場のフィードバックに基づいて必要に応じて改訂および更新される。
BSIは、同規格を国際標準であるISO規格のベースドキュメントとして使用する可能性を含め、将来計画について同委員会と協議していくという。
※1: https://www.gov.uk/government/news/trade-wins-unlock-markets-worth-over-100-million-for-uk-alcohol-companies-with-more-to-come
※2: https://www.statista.com/statistics/305054/uk-whisky-exports-leading-5-destination-countries/
※3: 世界のウイスキー市場規模、シェア、成長分析レポート、2022-2030年( https://www.polarismarketresearch.com )
※4: この自主規格は、ウイスキー業界の専門家の合意により、英国の新規および既存の蒸留所と規制当局が適用するために策定された。
関連情報
https://www.bsigroup.com/ja-JP/
構成/清水眞希