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マーク・ロスコ、ニュートン、ゲーテが追究した「色」と「色」の不思議な関係性

2023.10.31

アイデアノミカタ「色彩」

私は絵画を前にして色彩を自覚的に体感した、それも身体を覆うように静かで深い色彩に衝撃を感じた神秘的ともいえるアート体験をしたことがあります。

その作品こそ、画家マーク・ロスコ(1903-1970)の絵画でした。

ロスコ作品こそ、私にとってはじめて視覚芸術の作品世界と出会った瞬間です。

そんなロスコ作品に色彩の理論があると自覚したのは、ずいぶん後のことでした。

そこで今回のアイデアノミカタは「色彩」をテーマに、より深く色と色の関係性を考察したいと思います。

ニュートンの光学からヤング=ヘルムホルツの三色説へ

色彩を学術的に分析した科学者といえば、万有引力の法則で知られるアイザック・ニュートン(1642-1727)です。

ニュートンは「光学」という書物によって、太陽光を七色に分解する実験を行いました。

まず透明な三角柱の使い光を屈折させて分散するプリズムを用意し、自宅の窓に小さな穴を開け、太陽の光を室内に取り込み、その光をプリズムに当てました。

この実験によって、太陽の白い光がプリズムを通過することで、赤から紫までの7つの異なる色に分かれて現れることや、異なる色のレンズを通した光とプリズムを使用して、白い光が生まれることを発見しました。

こうしてニュートンは太陽の白い光が、すべての色の光が組み合わさったものであることと、各色が異なる角度で屈折することを証明したのです。

ちなみにニュートンは色の数を7つに分類しましたが、その後、イギリスの物理学者ヤング(1773-1829)が赤・青・黄が三原色であると発表し、さらに発展させたドイツの物理学者ヘルムホルツ(1821-1894)が全ての色が三原色から生まれる「三色説」を提唱しました。

こうした歴史的な経緯を経て、色彩学の基本となる三原色が生まれ、色を混ぜることを「混色」、色のある光を混ぜることを「加法混色」、絵具や塗料のように混ぜることで色の明るさが減ることを「減法混色」と呼ぶようになったのです。

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