ホリエのWiFiは本当にお得なのか? 各通信キャリアの料金と比較してみた
ホリエのWiFiで回線を利用できる3キャリアの使い放題プランを確認すると、ドコモのeximoが7315円(月3GB以上使用時)、auの使い放題MAXが7238円、メリハリ無制限+が7425円と、いずれも月額は7000円を超えます。こちらは各種割引適用前の価格ではあるものの、ホリエのWiFiの1.8倍程度と考えると、割高といえるかもしれません。
第4のキャリアとしてサービスを展開する楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」は、データ無制限で3278円とかなり安価ですが、エリア展開、通信の安定性という意味では、まだ大手3キャリアの回線に劣る部分があるのも事実。3キャリア回線が使えて、安価というのが、ホリエのWiFiの強みといえるでしょう。
【参照】Rakuten最強プラン
もちろん、ホリエのWiFiはあくまでモバイルWi-Fiサービスなので、通常のスマートフォンとして通話回線を利用するためには、別途キャリアやMVNOと回線契約が必要です。
モバイルWi-Fiを常に持ち歩き、通信のほぼすべてをWi-Fi経由で行うと仮定すれば、MVNO各社から提供されている数百円程度の料金プランや、ドコモのirumoの0.5GBプラン(550円/月)やソフトバンクのLINEMOミニプラン(月々3GB/990円)などで契約すれば、出費は計5000円/月程度に抑えられる計算となります。ほぼ0円で電話番号を所持できるKDDIのpovoと合わせて使うのもありでしょう。
スマートフォンと同時にモバイルWi-Fiを持ち歩く必要があり、5G通信は使えないといった条件はあるものの、これらが許容できればお得といえます。
一方、月々300GBまで利用でき、最大10台まで接続できるという特性を活かし、自宅の光回線代わりに契約をする場合は、少し注意が必要というのが個人的な見解です。
光回線の契約は、多くの場合5000円強と、ホリエのWiFiに比較するとやや高くなっていますが、300GBの通信量制限や、最大10台といった接続台数の制限がないのが一般的。特にテレワークをしていたり、複数の家族と一緒に暮らしている人にとっては、300GBだと足りない可能性もあります。スマートフォンやPC以外に、Wi-Fiに接続できる家電製品などを利用している家では、10台までだと物足りないかもしれません。
もちろん、屋内外で使えるのがモバイルWi-Fiの強みなので、自宅に据え置いて使う光回線と横並びで比較するべきではないともいえますが、光回線代わりに契約したいという人は、自分が月にどれくらい通信サービスを使用しているか、自宅で何台程度のデバイスをWi-Fiと接続しているかを事前に確認しましょう。
X-mobileは新たなMVNOサービス「幻冬舎 MOBILE」も発表
ホリエのWiFiと合わせ、X-mobileは新しいMVNOサービスとして「幻冬舎 MOBILE」を2023年11月12日より提供することも発表。幻冬舎とタッグを組み、ユーザーが支払う月額料金の一部を、作家に寄付できるという仕組みとなっています。
ユーザーは、寄付する対象の作家を、幻冬舎 MOBILEに登録している作家の中から自由に選択できる代わりに、対象作家の新作情報や、非公開原稿が届くようになるとのこと。対象となる作家や、月額料金といった詳細はこれから詰めていくとのことですが、X-mobile代表の木野将徳氏が「通信キャリアの選び方を変えていく」と話しているように、〝ただ通信料を支払うだけ〟の料金プランから、通信サービスと別のコンテンツをセットで購入するような料金プランとなっています。
料金プランのあり方が変わるという意味では、KDDIの「auマネ活プラン」やソフトバンクの「ペイトク」のように、大手キャリアが金融サービスと絡めた料金プランを発表したのも記憶に新しい今日。今後、通信キャリア、MVNO問わず、「料金プラン×コンテンツ」という組み合わせが一般的になれば、付帯するコンテンツを見て回線契約を結ぶのがスタンダードになるかもしれません。
取材・文/佐藤文彦