小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

チョコレート原料の残りが家具や衣類に!?持続可能な社会を目指す「アップサイクル」が進化中

2023.10.20

最近、「アップサイクル」という言葉をよく聞くようになった。

れには、廃棄される物品を、付加価値をつけて再生するという意味がある。似た概念に「リサイクル」があるが、こちらは素材にまで戻して、別のものを作るという意味合いが強い。例えば、ペットボトルは粉砕・加熱など処理を行ってペレット状の素材にし、繊維製品や成形品として生まれ変わる。対して、アップサイクルは廃棄製品の素材を極力生かすのが基本。古着の生地からぬいぐるみやトートバッグなどを作るのは、よく見られるアップサイクルの例だ。

現状においてアップサイクルは、異業種からの参入や協働があるなど、注目されつつあるトレンドとなっている。今回は、その取り組みの一部を紹介しよう。 

駅拠点で衣類を回収して再生する

(株)JR中央線コミュニティデザインとJR東日本スタートアップ(株)は、7月よりJR中央線各駅の店舗「セレオ」や「nonowa」などにて、オリジナルの手ぬぐいとハンカチの販売を始めた。

両商品は、駅の回収拠点で不要となった衣類を引き取り、再繊維化したものをアップサイクルして生まれたもの。再繊維化にあたっては、繊維大手クラボウの「L∞PLUS(ループラス)」というシステムを用いている。これは、回収した衣類を反毛(綿の状態に戻す)し、糸そして生地にする技術を指す。製品化には、アパレルブランド「ALL YOURS」を擁する(株)オールユアーズと協働した。衣類の引き取りは昨年行われ、16,300枚、約5トンも集まり、「予想をはるかに上回る反響」で、「SDGsへの関心の高さ」がうかがわれたという。

回収拠点での衣類提供の一コマ

菓子メーカーのカカオ活用の取り組み

昨年春、大手菓子メーカーの(株)明治は、カカオの実の活用を目指す「ひらけ、カカオ。」のプロジェクトを発表した。

チョコレートの主原料となるカカオの実は、全体の約10%(胚乳や胚芽)しか利用されていない。実の残りの部分は有効活用されているとはいえず、明治はそこに着目した。

具体的な製品化の第一弾は今年の2月。カカオの果肉を使った甘酸っぱい「カカフル・シリーズ」と、新素材のカカオグラニュールを一口サイズに固めた「カカウェル」を、「Makuake」にて数量限定販売。1ヵ月という短い予約購入期間にもかかわらず、約1300人の支持を得た。

続いて6月には、カカオハスク(種皮)をアップサイクルして製造した生活用品の新ブランド「CACAO STYLE」を立ち上げた。これは、異業種のパートナー企業数社との協働となり、例えば大日本印刷(株)は、カカオハスク、廃棄衣料、廃紙を原料にリサイクルボードを開発。

さらに、このリサイクルボードを用いてベッド、テーブル、イス、棚などを製作し、これらを展示したショールーム「CACAO STYLE ROOM」を作り上げた。そのほか、菱華産業(株)は、カカオハスク由来の紙コップホルダーなどを商品化し、VOID(株)はカカオハスクの材料を3Dプリンターで造形したテーブルインテリアを販売している。

大日本印刷が企画・制作した「CACAO STYLE ROOM

現在、明治は、「CACAO STYLE Product Design Award 2023 -カカオでつくるアップサイクルプロダクト-」と称するコンテストを開催している。求められているのは、カカオハスクを活用した製品のアイデアとデザイン。103012時が応募締め切りで、企業だけでなく、個人での応募も可能だ。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。