物価高の影響が拡大し、コロナ特需が終焉を迎えた今。世界における薄型テレビ・スマートフォン・パソコンの販売数量は、昨年と比べて減ったのか?それとも増えたのか?
GfK Japanはこのほど、世界主要約60ヶ国における小売店販売実績データ等をもとに、世界市場規模相当に拡大推計した2023年7月の薄型テレビ・スマートフォン・パソコンの販売動向及び予測を公表した。
薄型テレビ*
2023年7月の世界における薄型テレビ販売数量は前年比2.3%減だった。4-6月の前年比横ばいから下落した。昨年はサッカーW杯特需の要素もあり比較が不利に働くが、全体的な市況の弱さはこれまでと同様の状況だ。
主要サイズ帯の液晶テレビ価格は多くの地域で依然として昨年より低い水準だが、需要喚起につながっていない。とりわけ買替が主体の成熟市場の販売が低迷しており、消費マインドが弱いなかでテレビ購入の優先度が低い状況が続いている。2023年の販売数量は現在のところ、前年比2.8%減を予測している。
※ 薄型テレビ:液晶テレビと有機ELディスプレイ搭載テレビの合計
スマートフォン
2023年7月のスマートフォン販売数量は前年比3.7%減だった。4‐6月の前年比7.7%減から下げ幅が縮小した。2022年後半から物価高の影響が拡大したため、その比較で前年比が改善している推移だ。7月もほとんどの地域で昨年を下回る販売が続いており、10-12月に四半期前年比プラスに転じる予測だ。9月は注目度の高いモデルが複数発売され、その販売動向に期待がかかる。2023年の販売数量は現在のところ前年比4.1%減を予測している。
パソコン
2023年7月の北米を除く世界のパソコン販売数量は前年比4.6%減だった。4‐6月の前年比7%減から下げ幅が緩和した。市況の見方はこれまでと概ね変わっておらず、2023年後半は前半と比べて改善するものの、7-9月・10‐12月ともに昨年を下回る販売が継続する傾向とみている。
物価高やコロナ期の特需反動、また貯蓄や生活必需品・レジャーへの支出が優先され、パソコンの購買意欲が低い状況が続きそうだ。このような考え方のもと、2023年の販売数量は現在のところ前年比7.5%減を予測している。
出典元:GfK Japan
構成/こじへい