ふるさと納税をしていて、寄附金控除の手続きを簡単に済ませたいなら『ワンストップ特例制度』の活用がおすすめです。では、必要書類の提出の期限はいつまでなのでしょうか?締切日や申請の条件、必要書類について解説します。申請の流れも確認しましょう。
ふるさと納税のワンストップ特例申請の期限は?
ふるさと納税では、寄附金控除の手続きを簡便に済ませられる『ワンストップ特例制度』を利用できます。確定申告の予定がないのであれば、申請をしておくと便利です。いつまでに手続きをしなければならないのか確認しましょう。
寄附の翌年1月10日まで
ワンストップ特例制度の申請書類は、寄附の翌年1月10日必着で寄附をした自治体に提出しなければなりません。ふるさと納税は基本的に、12月31日までにした寄附がその年の分と判断されます。自治体の受付状況や入金の時期によって当年の控除に間に合うか否かが変動するため、別途確認が必要です。
12月31日に寄附をして、年末年始を挟むと手続きが間に合わないのではないかと心配になる人もいるでしょう。しかし、ワンストップ特例申請書はダウンロードが可能となっている自治体も多く、郵送するだけであれば十分に間に合う日程です。
一部の自治体ではオンラインでの手続きも可能となっており、マイナンバーカードとマイナンバー読み取りや専用アプリに対応するスマートフォンがあれば、年末年始でも手続きを進められます。しかし、オンライン申請のシステム障害や書類の不備、郵送のトラブル発生などの可能性も考慮し、早めに寄附と手続きを済ませるのがおすすめです。
間に合わなかったらどうする?
ワンストップ特例の申請が間に合わなかった場合は、確定申告が別途必要です。確定申告では、全ての控除や収入に関して申告を行います。
例えば、ふるさと納税を3回行い、1回分のワンストップ特例申請が間に合わなかった場合でも、確定申告では3回分の情報を全て申告しなければなりません。間に合わなかった場合に備えて、寄附先の自治体から送られてくる寄附金受領書は保管しておきましょう。
そのほかにも、何らかの事情により確定申告をする場合、ワンストップ特例制度の申請は無効になります。確定申告で申告した情報が最新のものとなるため、年の途中で状況が変わった場合は忘れず申告が必要です。
参考:寄附の翌年1月10日までにワンストップ特例申請書を送れなかった場合どうなりますか。 | FAQ(よくある質問) | 生駒市公式ホームページ
確定申告の期限
確定申告は1月1日~12月31日までの所得について、翌年の2月16日から3月15日までの間に行うものとされています。しかし、還付申告のみの場合は確定申告の期限は関係ありません。
翌年の1月1日から、5年以内であれば申告が可能です。ふるさと納税による還付のみを目的としているのであれば、細かく期限を気にする必要はないでしょう。しかし、給与所得以外の所得の申告が含まれている場合や、青色申告を考えている場合は期限に注意が必要です。
税金を納めなければならない場合、申告の期限が過ぎるとペナルティとして延滞税や無申告加算税が加算されます。また、青色申告は期限を過ぎると適用条件から外れ、優遇を受けられません。
ワンストップ特例の申請の条件
ワンストップ特例の申請には、条件が二つあり、両方の条件を満たすと申請が可能です。それぞれの条件の内容を押さえておきましょう。
確定申告が不要な給与所得者の場合
ワンストップ特例を利用する条件の一つは、『確定申告が不要であること』です。ほとんどの給与所得者は年末調整により、所得の申告や一部の控除の申請が可能となっており、一般的な会社員などが該当します。
前年の所得の申告や控除の申請など、さまざまなパターンが考えられるため、ワンストップ特例を使うつもりであれば自分に確定申告の必要がないかどうかという点を確認しておきましょう。
一時所得や医療費控除など、副業・兼業による収入のない給与所得者であっても、確定申告が必要となるケースはあります。何らかの理由で確定申告をする場合は、ワンストップ特例ではなく通常の申告となる点に注意しましょう。
1年間で寄附先が5自治体以内の場合
二つ目の条件として、『1年間の寄附先が5自治体以内』というものがあります。ふるさと納税の金額が多く、さまざまな自治体に寄附して返礼品を受け取りたいと考えている場合は注意しましょう。
条件はあくまでも『自治体の数』です。寄附の回数に制限はないため、ワンストップ特例で手続きを済ませたい場合には、5自治体以内に収まるよう寄附先を厳選しましょう。
なお、複数回ふるさと納税を行うときは、寄附のたびにワンストップ特例の書類を寄附先の自治体に提出しなければなりません。1カ所でも手続きを忘れると適用されないため、気を付けましょう。
ワンストップ特例の申請に必要な書類
ワンストップ特例の申請に当たって、どのような書類が必要になるのでしょうか?準備しなければならない書類を紹介します。制度の仕組みは簡易で、準備する書類の数は多くありません。
申請者の本人確認書類
ワンストップ特例の申請には、本人確認書類のコピーが必要です。マイナンバーカードを持っているかどうかで、必要な書類は異なります。
マイナンバーカードを持っている場合は、カードの表面・裏面で顔写真・住所・マイナンバーの確認ができるため、マイナンバーカードのコピーのみで本人確認が可能です。
マイナンバーカードを持っていない場合は、『通知カードの写し』や『マイナンバー記載の住民票』と併せて、運転免許証のコピーなどの本人確認書類の提出が求められます。
必要とされる本人確認書類が1種類のケースと2種類のケースがあるため、手持ちの書類によってはいくつか候補を用意しておきましょう。
特例申請書
ワンストップ特例の申請には、自治体から送付された『特例申請書』を利用します。氏名・住所・寄附金額などの必要事項を申請するための書類です。自治体によって書類のフォーマットが異なるケースがあるため、寄附をした自治体のものを準備しましょう。
本人確認書類以外の提出書類は特例申請書1枚のみと、簡易な手続きで申請が完了します。ふるさと納税だけのために確定申告をしたくない人や、手間を省いて申請を終えたい場合には積極的に活用しましょう。
1回の寄附ごとに1枚の特例申請書が必要になるため、同じ自治体に複数回寄附した場合は寄附した回数分を提出します。同じ自治体に3回寄附したのであれば、それぞれの寄附についての書類として合計3枚が必要です。
ワンストップ特例の申請方法
ふるさと納税の寄附後、寄附金受領書が届いたら申請を行います。基本的な申請方法と、流れを覚えておきましょう。手続きは郵送が基本ですが、オンライン申請に対応している自治体も増えつつあります。
特例申請書を準備する
ワンストップ特例の申請には、『特例申請書』が必要です。一般的には、寄付してしばらくしてから届く寄附金受領書に同封されています。寄附の手続き中に『ワンストップ特例制度を利用する』という選択肢があれば、『利用する』を選んでおくと確実です。
自治体や寄附の状況に応じて運用は異なるため、書類がない場合は各自治体によるアナウンスに従い、申し込みやダウンロードを行いましょう。
オンライン申請の場合は入力で手続きが進められるため、紙やPDFの書類を別途準備する必要はありません。ただしオンライン申請は、寄附先の自治体が対応していることに加えて、『マイナンバーカードとマイナンバー読み取りや専用アプリに対応するスマートフォン』が必要です。対応してないスマートフォンもあるため、不明な場合は郵送での手続きが確実でしょう。
特例申請書に必要事項を記入
特例申請書には、提出日・自治体名・氏名・住所・電話番号・生年月日などを記入します。寄附年月日や金額を書く欄もあり、寄附金受領書や寄附の受付履歴などを確認しなければなりません。
『確定申告をしない』『1年間の寄附自治体が5自治体以内である』といった項目を確認し、同意欄にチェックを入れましょう。
しかし、年の途中で確定申告をしなければならない状況になるケースや、ふるさと納税の寄附自治体が5自治体を超えてしまう可能性もありえます。条件を満たさなくなった場合は、確定申告での申告に切り替えましょう。
必要書類を準備して自治体に送付
本人確認書類と申請書は、郵送で自治体に提出します。郵送費をかけたくない場合は、オンライン申請を検討しましょう。
書類の送付先は、各自治体のWebサイトや寄附関連の書類に書かれているのが一般的です。不明な場合は、自治体に問い合わせて確認しましょう。
なお、年の途中で住所や氏名の変更があった場合には、『寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書』の提出も必要になります。