猫は普段から毛づくろいをしており、猫を飼い始めた人にとって、お風呂に入れるべきかどうか悩むと思います。ですが、実は定期的にやっておいた方がいい習慣なんです。その理由やお風呂の入れ方についてご紹介します。
猫を定期的にお風呂へ入れて皮膚病を防ごう
猫は普段から自分で体を舐めてグルーミングを行うので、シャンプーは必要ないと思われがちですが、それだけではフケや脂が残ってしまうことがあります。また、長毛種の猫は抜け毛が増える換毛期に、必要のなくなった被毛がそのまま体表に残っていると、毛玉ができやすくなり、むれが原因で皮膚病になる可能性も。
そこで、定期的なシャンプーとブラッシングを行うことで、猫にとって快適なコンデイションを保つことができます。
猫のお風呂の入れ方や温度は?
では動物病院などでは、どのようにして猫をお風呂を入れているのでしょうか。猫のお風呂の入れ方を「日本動物医療センターグループ本院」の例を元にご説明します。
[1]引っかかれても大丈夫なように、猫の爪は短く切っておきましょう。
[2] 毛玉や抜け毛が多い場合、シャンプーに入る前にブラッシングをして抜け毛を減らしておきます。カットをする場合はこのタイミングであら刈りをします。
[3] お湯の温度は38度ぐらいで、手で触って温かいと感じる程度で十分です。あらかじめ希釈したシャンプーをスポンジなどで泡立て、泡を猫の体につけ、隅々までしっかりと洗います。
特に男の子の場合、尻尾の付け根の背中側に皮脂腺があり、脂っぽいこともあるので、念入りに洗うと良いでしょう。
[4] 洗い終わったら丁寧にシャンプーを流します。シャンプー剤がきちんと洗い流せないと、目の充血や眼やに、皮膚のかゆみなど猫にとって不快な思いをさせてしまう可能性もあるので、きちんと流すようにしましょう。
[5]シャンプーが終わったら乾かします。
ドライヤーの前によくタオルドライし、タオルでなるべく水分を拭きとり、ドライヤーで完全に乾かします。
ドライヤーの音も怖がってしまう可能性があるので、すぐに風を当てるのではなく、少し遠くから、小さい音から、など徐々に慣らしていきます。
シャンプーをする前にドライヤーだけでチャレンジしておいて心の準備をしておくのも良いでしょう。
猫の被毛は乾きにくいもの。ブラシを毛の根元からかき分け、根元から乾かすようにブラッシングします。
[6] 最後に耳の中を軽く拭いて終了です。
猫のお風呂の頻度は?
短毛種は3か月~半年に1度、長毛種は1~2か月に1度ぐらいが良いと言われています。
猫の毛質や皮膚、生活パターンによって個体差があります。迷ったら、施設や動物病院に相談するのをおすすめします。
【参考】日本動物医療センターグループ本院
猫がお風呂を嫌がる原因は?
家猫の起源は北アフリカの砂漠地帯に多く住んでいたリビア猫と言われています。普段からあまり水を飲むことがなく、本能的に体が濡れることを避けたがります。
体の汚れを砂の上で転げまわって落とすこともあり、このような環境での生活を受け継ぎ、現代の猫の毛は脂分が少なく水が弾きにくく、濡れると乾きにくい傾向があります。
お風呂嫌いな猫を入れるための対策
猫がお風呂を嫌がる理由は、お風呂場の匂い、音なども関係しているそうです。なので、その匂いや音に慣れることから始めると良いでしょう。
まず、食事やトイレをお風呂場に用意します。そして慣れてきたら少しずつシャワーを流してみたりして、音に慣れさせるようにしていきます。時々、猫用のシャンプーの匂いをかがせてみるのも良いでしょう。ドライヤーの音も気になるので、全てを少しずつ徐々に行って慣らします。
※データは2023年9月下旬時点での編集部調べ。
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文/山田ナナ