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Amazonで販売数を伸ばすために不可欠な「戦略的価格設定」とは?

2023.10.28

通常販売の価格はビッグセール価格から逆算

私がスマート家電メーカーの+Style(プラススタイル)でAmazonの価格設定をしていた時は、「ビッグセールにいくらで販売するか」を基準に考えていました。なぜなら ECモールでの販売はどうしても価格競争になってしまうため、気がつくと想定以上の値引きをしてしまうことがあるからです。想定以上の値引きをすると、販売数が最大になるビッグセールでの販売で更に安くせざるを得ないため、利益が取れなくなるということが起こるのです。そのため価格設定は、ビッグセール時での販売価格から考える必要があるのです。例えば以下のイメージです。

1:ビッグセールで販売する価格を決める
2:通常セールは「ビッグセール販売価格+10〜15%」
3:通常販売は「ビッグセール販売価格+15〜30%」
4:定価は「ビッグセール販売価格+30%以上」

Amazonのビッグセールに参加するには、その年に販売した最低価格で申し込みをしないと対象から外れてしまう恐れがあります。しかも、購入者が「お得」と思う割引条件(例えば定価の30%OFFなど)を設定する必要があります。そのため、通常販売価格の設定は、ビッグセールで利益が確保できるギリギリの価格を事前に設定して、通常販売価格と通常セール価格(ビッグセールを除くセール価格)を決めるのです。そして定価はビッグセール価格の+30%で設定し、「定価から30%割引」という価格を演出しておく必要があるのです。

これにより通常販売時は、15%の余裕(ビッグセールに通常販売時から15%引きにするなら、+15〜30%の枠内)ができるため、その枠内で価格を変動させながら販売していく、ということができます。

もし定価が決まっている商品であれば最低限値引ける価格を設定し、それをビッグセール時の価格とする。通常販売価格はそこから逆算して設定することになります。難しい場合もありますが、できればビッグセールの価格は定価の20%OFFくらいのお得感はあったほうがよいでしょう。

販売価格は大切な販売要素、専用サービスで競合状況を知ろう

価格は水ものなので、通常販売時に固定のままでは売れるものも売れません。同様商材の価格を見ながら常に変動させ、ライバル商品が販売を増やしてきたなら、こちらも価格を下げて対抗する必要があります。PRが成功した時や広告を使う場合も、効果を最大化するためにはある程度の価格変動は必要なのです。

その際、ライバル商品の動向を確認する場合に有効なのが、 Keepa(https://keepa.com/)というサービスです。Chromeのプラグインとしても利用可能で、確認したいAmazonの商品ページを表示すると、価格の推移が表示されるというものです。これを見ながらライバル商品の価格変動を確認し、攻め(値引き)や守り(利益確保)を繰り返して、販売を最大化させるのです。無料でも一部機能が使えるため、Amazon運用者は必ず入れておきたいサービスといえます。

ちなみに Keepa は、「直近の最低価格」を知ることができるため、商品を安く購入したい人にも有効に使えるツールです。私の場合、急ぎで必要ないものや消費財等はまとめてビッグセールで購入し、それ以外は Keepaで価格変動を見ながら直近で一番安くなったタイミングで購入するようにしています。高額商品を購入する時は特におすすめです。

さて、次回はAmazonのビッグセールの戦い方を解説したいと思います。今回の価格設定でも解説したように、ビッグセール はAmazonを攻略する上でとても重要です。しっかり対策をして売上向上を目指しましょう。

<プロフィール>
近藤正充
出版社での雑誌編集や、通信事業会社での宣伝、企画/マーケティングを経験し、2016年スマート家電メーカーの+Style(プラススタイル)を創業。D2C (Direct to Consumer)メーカーとして多くのスマート家電を世に送り出す。2023年に退任。

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