雑草抑制&遠隔監視ロボットの開発やドローンによる播種作業を実施
人とロボットの共存社会を目指すサービスロボットメーカーのテムザックは、ロボット技術を用いた”WORKROID農業“を実践中の宮崎県延岡市内の圃場にて、第1回目の収穫を行なった。
WORKROID農業とは、同社が実施する、農業経験のない人でも取り組める省力化農業。2023年春から、雑草抑制&遠隔監視ロボット『雷鳥1号』の開発・投入、ドローンによる播種作業の実施、水管理システムの運用などを最大限活用して、米粉用米の水稲直播栽培に取り組んでいる。
図1 稲作における労働時間の比較
その結果、同社によれば米作りにかけた労働時間は、既存農業と比べ大幅に削減(図1)したにもかかわらず、無事稲穂が実り、1反辺り400kg弱収穫することができたという。
同社では「今後は収穫ロボットなども開発し順次投入するとともに、収穫したWORKROID米を製粉し米粉にすることで、6次産業化の仕組みづくりにも挑戦します。今後のWORKROID農業の取組、発表にご期待ください」とコメントしている。
延岡市で実践中 ”WORKROID農業” の経過
2023年4月 水管理システム
ドローンによる播種
雑草抑制&遠隔監視ロボット「雷鳥1号」投入
2023年5月時点
2023年8月時点
2023年9月時点 収穫前
2023年9月時点 収穫後
省力化農業導入の背景
米は日本の数少ない食料自給品目がが、農業従事者の最も多い割合を占めているのは75歳以上(※)。高齢化・担い手不足、そして耕作放棄地の拡大に歯止めがかからない状況の中、省力化・省人化に向けた技術革新が必須となっている。
テムザックは、長年培ってきたロボット技術を活かし農業課題を解決するため、2022年12月に、延岡市、北浦農業公社と連携協定を締結。
2023年4月には、延岡市に農業ロボットの実践拠点「アグリ研究所」を開設して、農業経験のない人でも取り組める省力化農業 “WORKROID農業”を本格始動させた。
現在は雷鳥シリーズ、ドローン、水管理システムなどを最大限活用し、米粉用の水稲直播栽培を実施している。
※2020年時点、農林水産省「農林業センサス」(令和2年)参照
構成/清水眞希