企業が災害やシステム障害、テロなど、危機的状況下に置かれた場合でも重要な業務を継続できるように策定する事業継続計画(Business Continuity Plan、以下BCP)。このBCPの策定について、企業はどのように向き合っているのだろうか?
アドビはこのほど、企業の総務担当者800名(従業員数300名以下の企業に勤める担当者400名、従業員数301名以上の企業に勤める担当者400名)を対象に実施した「社内データの備えと管理に関する調査」の結果を発表した。
本調査は、BCPへの取り組み、およびクラウド管理やファイルの保存形式、電子サインの活用など、社内データの保管・管理状況を調査するもので、2020年にも同様の調査を行っている。
最も活用されているデータのバックアップ手法は「クラウドバックアップ(50.8%)」、重要書類の保存形式は「PDF形式(51.7%)」が最多
社内データのバックアップを行っている担当者に手法について聞いたところ、最も多かった回答は「クラウドバックアップ(インターネットを介してリモートサーバーに保存)」で50.8%、以下、「物理的なバックアップ(外付けハードドライブ、USBメモリーなどの物理的なデバイスに保存)」が47.5%、「紙によるバックアップ(重要な情報を紙に印刷して物理的に保管)」が31.2%と続いた。
半数以上がクラウド上でのバックアップを実施している一方で、「BCPを策定する予定がない」企業に絞るとクラウドバックアップを行っている割合は30.6%に留まるなど、一部の企業ではデジタル化が進んでいないことがわかった。
また、重要書類をどのような形式で保存しているか聞いたところ、最も多かった回答は「PDF形式(51.7%)」となった。次いで、「紙による物理的な保管(42.0%)」が多く、契約書などの確認作業や締結作業が紙ベースで行われており、一部の企業ではペーパーレス化に至っていない様子がうかがえる。
「BCP対策が顧客の信頼の獲得につながる」と全体の8割以上(80.5%)が回答
BCP対策を行うことで、有事の際にも事業継続できる状態を保つことが顧客の信頼を得るうえで重要だと思うか聞いたところ、「とても思う(27.9%)」、「どちらかというと思う(52.6%)」と、全体の8割以上(80.5%)が重要な要素だと感じていることがわかった。