■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議
スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、中国のiPhone使用制限や、フランスでiPhone 12シリーズで基準を超える電磁波が検出されたことなど、iPhoneにまつわる最新事情について会議します。
中国とフランスでiPhoneの危機?
房野氏:中国の政府機関で、職員がiPhoneを使用することを制限するとの報道がありましたね。
石川氏:中国のiPhone使用制限はアップルの発表会直前に出た報道でしたけど、デマだったんじゃないかとも言われています。
法林氏:実際に制限されたって話はないんですよね。
石川氏:中国で外国製品を規制するみたいな話があって、アップル製品も含まれるようなこともあるようですが。もう何年も中国に行っていないのでわかりませんが、中国人にとってアップル製品を使っていることは自分のステータスを誇示するものだったりするので、政府関係者が公用で使えなくなったとしても、私物はiPhoneだろうし、あまり影響はないかなという感じがします。
ただ、ファーウェイが5G対応のチップを作れるようになったという話は、ファーウェイの中国でのシェアが上がるだけではなくて、たぶんアフリカとかヨーロッパでファーウェイが力をつけてくる可能性があるので、そっちの方の影響があるんじゃないのかなとは思います。
房野氏:また、フランスで、iPhone 12シリーズで基準を超える電磁波が検出されたということで、販売禁止になったという報道もありました。
石野氏:電波の出力値が許容値以上だったそうですが、なぜ今さらなんだろうとは思いました。許容値を超えていたといっても、今の携帯電話では健康に害がある何分の1とか何十分の1というレベルの弱さに抑えられているので、EU的な嫌がらせというか(笑)。細かくチェックしてるなぁ、アップルはロックオンされているなぁって感じはしましたね。
房野氏:EUはiPhoneに対抗できる端末はないですよね。
石野氏:iPhoneに限らず、EUはとにかくアメリカ企業の好き勝手されるのをあまり好ましいと思っていないので、アップルだけじゃなく、グーグルとかにもあの手この手で文句を付けている。昔だったらマイクロソフト。マイクロソフトは寡占だと散々いわれていたじゃないですか。Windows Media Playerを載せることを選択制にしようとか、ブラウザのインストールも選べるようにしろとか。競争の活発なうちはそんなに気がつかなかったんですけど、徐々にAndroidとiPhoneが、Windowsよりも規制をかけなきゃいけないという見方になったのかなと。その一環という見方ができると思います。
石川氏:アメリカ憎しで、とりあえずiPhoneもUSB-Cになったので、それはグッジョブなんですけど(笑)、それ以外は単なる反発なのかなってところです。