副業のみの理想と実際の年収額
副業経験ありと回答した230人に副業のみの年収額を記述回答にて聞くと、平均額は326.8万円、中央値が294.0万円、最頻値が600万円となった。
同回答者に副業で得たい理想の年収額を記述回答にて聞くと、平均額は453.6万円、中央値が500.0万円、最頻値が600万円となり、理想の平均年収額に比べて実際の額が126.8万円高い結果が得られた。
副業規定の有無と話しやすさ
回答者全体の717人に副業が会社で許されているかを聞くと「許されている派」が68.5%と過半数を占め、内訳は「条件なし」が29.6%、「条件なし」が19.8%で、「許されていない派」は31.5%だった。
同回答者に職場での話の出しやすさを聞くと出しやすいと「思わない派」が56.2%と過半数を占め、内訳は「全く思わない」25.8%、「思わない」17.6%、「どちらかといえば思わない」12.8%となっている。
副業への興味有無と副業開始の条件
副業をしていないと回答した487人に副業への興味有無を聞くと「ある派」が83.8%と過半数を占め、内訳は「とてもある」31.4%、「ある」26.7%、「どちらかといえばある」25.7%だった。
副業をしていないが興味はあると回答した408人にどのような変化があれば副業ができるかを聞くと「本業に余裕が出たら」が42.4%で最多回答となり、次いで「プライベートの時間に余裕が出たら」39.5%、「会社の規定が副業解禁になったら」31.9%が上位の回答となっている。
調査結果まとめ
株式会社ライボ コミュニケーション戦略部 部長
広報グループ長兼「Job総研室長」
堀 雅一 氏
今回実施した「2023年 副業・兼業の実態調査vol.2」では、全体の78.0%が本業に「満足」しており、理想の平均年収額は769.2万円、実際は570.6万円と本業の満足度は高いものの平均年収額には理想と現実では198.6万円のギャップが生じていることがわかりました。
このような状況の中、全体の67.9%が副業経験「なし」と回答し、年代別では20代の未経験率が最多でした。副業のきっかけでは本業での「収入への不安」や「やりがいの感じづらさ」、副業の目的では「収入源の確保」や「キャリア形成・スキルアップ」が挙げられていることから、本業への懸念や将来に向けた準備意識から副業を始めている人が多数であることがわかります。
また、副業のみの平均年収額が326.8万円、理想が453.6万円と実際の額よりも理想額の方が126.8万円高いことから、副業によって全体の年収ギャップを埋められる可能性があることもわかります。
そして、副業をしていないと回答した人の83.8%が副業に「興味がある」と回答しており、本業やプライベートに「余裕が出たら」や「会社が副業解禁になったら」副業ができるという回答が多数でした。しかし全体の31.5%が副業を会社で「許されていない」と回答しており、さらに56.2%が職場で副業での話題を「出しにくい」と回答しています。
慢性的な物価高や円安で賃金が上がらぬことを背景に副業を始める人や副業に興味を持つ人が多い一方で、副業人口がわずかな状況、且つ職場での話しにくさを感じる人が多いことから、本業の繁忙や規定が重石となり副業で収入ギャップを埋めることも叶わぬ状態であることが読み取れます。
企業が賃金を上げることが困難な状況が続くのであれば、社会人の不安を払拭するためにも副業を解禁するなど制度による取り組みの必要性がわかる調査結果となりました。
調査概要
調査対象者/現在職を持つすべての社会人、JobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件/全国 の20~50代男女
調査期間/2023年9月6日~9月11日
有効回答数/717人(男性6 / 女性4)
調査方法/インターネット調査
関連情報
https://job-q.me/articles/15332
構成/清水眞希