中東情勢の緊迫化による原油高はリスクだが、今のところ比較的冷静に状況を見守ることが可能
イスラエルとハマスの衝突を受け、10月9日のWTI原油先物価格は、前週末比4.3%上昇し、1バレル=86ドル38セントで取引を終了した。中東情勢の緊迫化は、原油高という形で、金融市場に影響を与える恐れがある。
今回、イランがハマスに協力していたとの報道もあり、イスラエルへの軍事支援強化を表明している米国が、イランに追加の経済制裁を科せば、原油供給に対する不安が市場に広がることも想定される。
一般に、地政学リスクなど、市場で予期せぬ悪材料が発生した場合、確認すべきは(1)金融システムへの影響、(2)流動性への影響、(3)他国・他地域への影響、の3点で(図表2)、いずれも問題がなければ過度な懸念は不要と考える。
今回は、米国や中東周辺国を巻き込む形で紛争が広がるか否か、すなわち(3)が焦点となるが、中東ではハマスと距離を置く国も見受けられ、比較的冷静に状況を見守ることができると思われる。
出典元:三井住友DSアセットマネジメント
構成/こじへい