コロナ禍の価値変動が普及を後押しする可能性も
オランダの消費者は代替タンパク質への移行に極めて積極的で、1人あたりの肉類似製品の消費量は 欧州1位となっている。代替肉を買ってくれる消費者がいてこそ、サーキュラーエコノミーが成り立つ。
日本では食用コオロギがSNSで炎上してしまったが、大豆由来の代替タンパク質はすでに生活に根付いている。生産過程を一般に公表したり、商品の価値を丁寧に伝えることができれば、消費者も正しく理解し、受け入れてくれるはず。
特にコロナ禍により、従来の価値観が変化して、革新的な新製品を受け入れようとする、人々の意識が生まれつつある。肉を完全に代替品に置き換えるのではなく、美味しく低アレルギーの「もう一つの新しい肉」が誕生して、それが健康に役立ち、環境と経済に役立つならこんなに素晴らしいことは無い。
持続可能性社会の実現だけでなく、食用に飼育する動物の福祉の観点からも、代替タンパク質ソリューションの開発は、大きな可能性を秘めている。
文/柿川鮎子