大量生産・大量消費・大量廃棄の従来の経済システムから、資源を循環させた上で経済も発展させるサーキュラーエコノミーが注目されている。経産省は2020年5月に循環型経済への取り組みを加速化させるため、官民連携での「循環経済パートナーシップ」を呼びかけた。サーキュラーエコノミーは新しいビジネスモデルとして定着している。
日本ではエネルギーや自動車、産業資材などの分野で先行しているサーキュラーエコノミーだが、人々が生きる上で欠かせない食料分野でのサーキュラーエコノミーも、少しずつ環境が整ってきた。昨年は、大豆ミート食品類の JAS 規格が制定された。代替肉市場が注目され始めている。
大きく3つに分類される代替タンパク質
サーキュラーエコノミーのカギを握る代替タンパク質だが、原料により大きく以下の3つに分類されている。
1)大豆など植物由来のもの
豆、ナッツ、穀類、海藻などを原料としている。
2)微生物、菌や藻類、培養による細胞農業によりつくられたもの
培養による肉や乳製品なども含まれる。
3)昆虫由来のもの
話題になったコオロギやバッタ、ミルワーム、カイコなどのほかシロアリ類なども期待されている。
これら代替タンパク質市場だが、英国のバークレイズ銀行によると、現在、食肉関連の市場規模は約1兆 4,000 億ドル程度。2029 年にはその約10%相当が代替タンパク質に置き換わると予想している。