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地球の7割を占める海のエネルギーを最大限活用する「アヒル発電」とは?

2023.10.12

アドリブワークスでは、官民連携スタートアップスタジオ『NOROSIスタートアップハブ』及び、起業家のためのマッチングサイト『triven』を運営しており、同サイトを利用して新たに誕生したスタートアップ「Yellow Duck株式会社」が公益財団法人大阪産業局の主催する「HeCNOS AWARD(カーボンニュートラル分野)」を受賞した。

今回は、カーボンニュートラルな社会を目指すべくYellow Duckが開発を進めている発電システム「アヒル発電」(Wave-DAC)について概要をお伝えしよう。

二酸化炭素や放射性物質を排出せず、人や生き物を傷つけない「アヒル発電」

大気中から二酸化炭素を直接回収する技術をDirect Air Capture、略してDAC(ダック)という。

ウェーブ・ダックはその名のとおり、波のエネルギーを利用して大気中の二酸化炭素を回収するシステムだ。さらにウェーブ・ダックは、CO2を回収する過程で水素も生成する。

仕組みはとてもシンプル。ろ過した海水の電気分解により実現する。その電気分解に必要な電力を、再生可能エネルギーである波でまかなおうというのがウェーブ・ダックのコンセプトだ。丸いたまご型のシステムを海に浮かべ、波に揺られて傾くことで電力を生み出す。

再生可能エネルギーを用いて水素を生成し、さらに大気中のCO2を回収するウェーブ・ダックは、カーボンニュートラルの実現に向けた新しい技術だ。(特許取得済み)

アヒル発電は浮かべるだけの発電技術なので海さえあればどこでも利用が可能。海底や沿岸への固定が必要ないため、沿岸に限らず海全域をエネルギーとして有効に活用することができる。

地球の7割を占める海が持つエネルギーを最大限利用するアヒル発電は、気候変動へ大きなインパクトを与えることが期待される。

波は天候や時間帯による影響を受けにくく、また風や太陽光に比べて予測がしやすい特徴がある。そのため発電量のコントロールが可能で、大きな出力低下の心配がない。

既存の発電システムは、一度設置してしまうと動かすことができない。夜になったからといって、地球の裏側へソーラーパネルを運んでいくことはできないが、浮かべるだけのアヒル発電であれば発電場所を自由に変えることができる。

アヒル発電は浮かべるだけの発電技術なので、建設コストと維持コストを大幅に削減することも可能だ。

アヒル発電は浮かべるだけの発電システムのため、建設工事が必要ない。そのため建設コストを大幅に削減できるとともに、海底への固定による破損も避けることができる。

さらにアヒル発電は、陸上でのメンテナンスが可能。作業のために船に乗って海を往復したり、不安定な海上や海中で作業を行う必要はない。

開発状況について

現在、原理試作による動作確認を終え、高さ約2mの実験機を用いて海洋での基礎研究を行っている最中。これまでの研究開発では、高さ30cm程度の弱い波によるCO2の回収と水素生成の実効性が確認されている。

今後はより長期間の実証実験を行い、システムの効率化、安定化を目指すとのこと。その後、十分な検証により実用性が担保された段階で、商用へと踏み切る予定だという。

関連情報
https://yellow-duck.jp/

構成/Ara

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