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完全没入のアトラクションを楽しめる!世界初のイマーシブ体験テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」が2024年春に開業

2023.10.12

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

参加者それぞれが毎回自分だけの体験をする「完全没入(イマーシブ)体験」

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の立て直しや、西武園ゆうえんちの全面リニューアル、ハウステンボスとの協業など、国内でのテーマパーク施設での協業、運営を行っている「株式会社刀」が、お台場の旧ヴィーナスフォートの2~3階に、完全没入体験のアトラクションが楽しめるイマーシブ・テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」を2024年春に開業すると発表した。

物語において観客自身が当事者となり、完全に没入した世界観の中でさまざまな体験ができるイマーシブシアターは2000年代初頭にロンドンで誕生し、その後、ニューヨーク、ラスベガスでも展開されている、海外では非常に注目されているエンターテインメントだ。

日本でのイマーシブエンターテインメントは、小規模のものや実験的に実施されているものがあるが、多くの観客が一度に体験できるような大型施設はイマーシブ・フォート東京が初となる。

イマーシブ・フォート東京の制作を担当する、株式会社刀 シニア・クリエイティブ・ディレクターの津野庄一郎氏は(下記画像右)、USJ在籍時に「ハロウィン・ホラーナイト」で総合プロデューサーを務め、日本での本格的なイマーシブシアターの先駆けとなった、USJ「ホテルアルバート」シリーズの製作を担当。今年の5月に開業した西武園ゆうえんちでは「豪華列車はミステリーを乗せて」というイマーシブシアターと飲食体験を合わせたイマーシブレストランを展開している。いずれのアトラクションも連日完売となり話題を呼んだ。

「海外のイマーシブシアターはアーティスティックな要素が強く、消費者視点というより、クリエイター視点で作られた、わかる人だけにわかっていただければいいという内容であり、チケットも1枚3~5万円ほどの高額で、誰でもが気軽に楽しめるようなエンターテインメントにはなっていません。

イマーシブ・フォート東京はゲストの一人一人が物語の当事者になり、百人百様の一人一人が全く違う体験ができます。絶対に日常生活では体験することのできない、目の前で起こる全ての出来事が本物で現実であるという体験が、イマーシブシアターの最も特徴的なところです。

従来のテーマパークのアトラクションは、誰がどんなときに体験しても必ず同じクオリティーで同じ体験を提供できることを目指して作っていきますが、イマーシブ・フォート東京で体験するアトラクションは、どれひとつとっても同じものは存在しません。

また、同じ人が別の日に行っても全く違う体験ができるようになっており、その時、その瞬間、その場所でしか体験できない唯一無二な体験になります。生のエンターテインメント体験が作り出す、他では絶対に体験できない素晴らしいエンターテインメント体験が、イマーシブシアターには備わっています」(津野氏)

イマーシブ・フォート東京は、1990年代に臨海副都心として開発が進んだお台場エリアにあって、2022年に閉鎖したヴィーナスフォートの建物を活用。完全屋内型テーマパークとしても国内屈指の約3万㎡の面積で、パーク内には完全没入できる12種類のアトラクション、6つの物販・飲食店舗を備える。

「ヴィーナスフォートの特徴でもあった街並みを活かして、色彩感があるヨーロッパのマーケットに変化をさせたり、今にも何かが起こりそうなミステリアスなヨーロッパの街並みに変化させたり、路地の裏道や群衆の集まる広場などを作り出します。

既存の建物やコンテンツと最大限に活用して、装飾や照明、音響といったソフトを更新することで、新たな環境を短期間、少ない初期投資で実現させる、これは我々が開業から何月も経ったテーマパークで、常に新たな環境に生まれ変わらせてきた経験から培ったものです。

この企業モデルは、同様の条件さえ作れば再現性の高いモデルとなると考えています。ヴィーナスフォートのような商業施設だけでなく、劇場やホール、学校や庁舎として使われていた公共の建物など、建築物として魅力的なコンテンツを持ちながら、既に本来の役目を終えた施設は、日本だけではなく世界中の都市に数多く存在しています。

イマーシブ・フォート東京での展開を経て、日本国内だけではなく、ロンドン、パリ、ニューヨーク、ラスペガス、シンガポールなどエンターテイメント需要の高い地域、都市に進出し、日本発のエンターテイメントビジネスで世界を楽しませていきたいと考えています」(イマーシブ・フォート東京 プレジデント 田村考氏)

【AJの読み】体験を超えて経験として脳裏に焼きつく!?完全没入エンターテインメント

道を歩いていたら突然銃撃戦に巻き込まれてしまう、偶然に目の前で殺人を目撃してしまう、突然ミステリアスな人物が現れ自分と共に逃げてほしいと頼まれる、ヒロインを助けるために自らの手で悪者の飲み物にひそかに毒薬をいれる、などなど、映画やドラマで本来は鑑賞するものだった物語の中に入り込み、自分も登場人物となって体験する、というのが完全没入のイマーシブ体験だ。

「日常生活では絶対にありえない体験を味わえるイマーシブシアターは、アトラクションだとわかっていても、実際にそういう目に遭ったという気分に錯覚させてくれる完全没入体験です。もはや体験を通り越して経験になる。これがイマーシブシアターの魅力といえるでしょう」(株式会社刀 代表取締役CEO 盛岡毅氏)

VRの進化で疑似体験できるアトラクションも多いが、イマーシブ・フォート東京は当事者として加わり劇的な物語を体験するといった、子どものころに夢見た「物語の中に自分も入れたらいいな」といった“妄想乙”を覆した新感覚のアトラクションだ。

各アトラクション体験内容、チケット価格や販売方法などについての詳細は、今後、順次発表予定とのこと。

文/阿部純子

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