「モタコンエクササイズ」で正しい体の使い方を身につける
「誤った動作で腰を痛めている人は非常に多い」と話すのは、整形外科医の武田淳也さん。重いものを持ち上げる、棚の上のものを取る、振り向くといった動きは腰への負担が大きく、知らず知らずのうちに体を痛めているという。
「腰に負担をかけない正しい体の使い方を知ることで腰痛は改善できます。ポイントは身体の軸を保ち、腰椎と骨盤は動かさず、胸と股関節を動かすことです」
この動きを身につけるのに有効なのが「モタコン(モーターコントロール)エクササイズ」だという。
「この動作を繰り返し行なうことで、正しい体の使い方を体と脳に働きかける作用があります」
実施する際に欠かせないのが骨盤を正しい位置に保つこと。
「骨盤は背骨の位置をコントロールする大切な存在です。腰骨の左右部分と恥骨の3点を結んでできる『骨盤のトライアングル』(下図参照)が、立った時に床に垂直になるよう意識すると、背骨が正しい位置にキープされ、エクササイズを安全に行なうことができます」
今回は手軽にできるモタコンエクササイズを厳選して紹介。仕事の隙間時間などにぜひ実践しよう。
整形外科 スポーツ・栄養クリニック理事長
米国国家認定ピラティス教師
武田淳也さん
整形外科医。スポーツドクター。国内で初めて医療にピラティスを導入。現在は日本でのモタコンの啓発も実施。著書に『カラダ取説』(徳間書店)など。
骨盤を正しい位置に安定させると背骨も正しい位置に!
骨盤は背骨の位置をコントロールするハンドルのような役割を担っている。骨盤が傾くと姿勢が悪くなり、腰に負担をかける要因に。
「骨盤のトライアングル」を意識する
左右の腰骨の出っ張った部位と恥骨の3点を結んだ三角形「骨盤のトライアングル」が床に対して垂直になるよう日頃から意識することで、自然と正しい姿勢を保てるように。