腰痛対策の前に、まずは痛みの原因を理解しておこう。テーラーメイド バックペインクリニック院長の松平浩さんに解説してもらった。
腰への負担、心理的ストレス。日常的な腰痛はこの2つが引き起こす
「腰痛には、骨折などのケガ、がんや大動脈解離、尿管結石などを起因とするものが潜んでいるケースもあり、これらは専門医の治療が必要です。一方、原因疾患がない腰痛は多く、腰痛全体の8〜9割を占めています。これらは基本的に〝心配のいらない腰痛〟で、セルフケアが有効です」(松平さん)
松平さんによれば、日常的に生じやすい腰痛の要因は2つ。ひとつは、姿勢の悪さや持ち上げ動作などによる「腰自体の不具合」。これを松平さんは〝腰痛借金〟と名づけている。
もうひとつは、様々なストレスによって引き起こされる「脳機能の不具合」だ。痛みを抑制する脳のシステムが働かなくなってしまう。
そこで、松平さんが推奨するのが腰痛借金を解消する「これだけ体操」と、心理的ストレス対策となる「プチ・マインドフルネス」。まずこの2つを取り入れ腰痛改善に役立てたい。
これが腰痛を引き起こす!
脳機能の不具合
心も腰痛に関係がある。仕事や人間関係のストレスのほか、痛みに対する恐怖心や不安感によっても引き起こされる。
腰自体の不具合
持ち上げ、前かがみ、ひねり、不良姿勢など、腰への物理的な負担により起こる。腰回りに負担が蓄積する(腰痛借金)。