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知っているようで知らない!?「蛙の子は蛙」の正しい意味と言葉の由来

2023.11.18

『蛙(かえる)』を使ったことわざに、『蛙の子は蛙』があります。身近で聞く機会も多いことわざですが、正確な意味を説明できる人は少ないのではないでしょうか?正確な意味や使い方はもちろん、対義語として知られることわざや類語も紹介します。

「蛙の子は蛙」とは?

『蛙の子は蛙』という言葉だけを聞くと、当たり前のように感じる人もいるでしょう。まずは、正確な意味と由来、対義語を解説します。

■「子は親に似る」ことを意味することわざ

『蛙の子は蛙』は、子どもが親に似ることをたとえたことわざです。似たようなことわざはいくつかありますが、どちらかというと能力・行動・性質を指すケースが多いでしょう。

どのようなオタマジャクシでも親と同じ蛙に育つ様子から、『子どもは結局、親と同じ道を歩む』というニュアンスも含まれます。

なお、顔だけがそっくりな親子を指す場合は、『瓜二つ(うりふたつ)』という表現を使います。しかし、瓜二つは見間違えるくらいによく似た様子を表すため、使えるシーンは限られてくるでしょう。

■成長して蛙になるオタマジャクシに由来

『蛙の子(幼生)』は、オタマジャクシを指しています。オタマジャクシの見た目は、親の蛙とは全く似ていません。しかし、それでも成長するとやっぱり蛙になる様子に由来することわざなのです。

『蛙』はことわざや慣用句の中で、優れたところがない凡庸な様子を表すことが多い生き物です。 『井の中の蛙(かわず)大海を知らず』や『竜と心得た蛙子(かえるこ)』のように、天才だと勘違いする凡人をたとえるときにも使われます。

『蛙の子は蛙』にも平凡で月並みな人を表す意味が含まれており、『凡人の子どももやはり凡人である』という方向性で使われる言葉です。

■対義語は「鳶(とび)が鷹(たか)を生む」

『鳶が鷹を生む』は、『蛙の子は蛙』の対義語としても使われる言葉です。鳶のように平凡な人が、優れた子どもを生むたとえとして使われます。

鳶と鷹は同じタカ科に属しますが、姿は似ていても能力・性質は異なり、『鷹』は勇猛な印象を持つ鳥です。昔から貴族が鷹狩りに使っていたことから、鷹には優秀なイメージが定着したともいわれます。

『鳶が鷹を生む』は子どもが優秀であることを意味しますが、親が劣っていると示す表現でもあるため、該当の親子がいない場所で使われるか、親本人が使うケースが一般的です。

「蛙の子は蛙」の使い方

親子の後姿

(出典) pixta.jp

『蛙の子は蛙』は、どのようなシーンで使われる言葉なのでしょうか?例文や、一般的な使用場面について解説します。使いどころを間違うと、周囲に違和感を持たれる可能性もあるでしょう。

■親が子どもに使うケースが一般的

『蛙の子は蛙』は、能力が平凡な場合もしくは、やや劣っているときに使われる表現です。例文には、以下のようなものがあります。

【例文】

  • 蛙の子は蛙というけれど、全員に当てはまるとは思わない。
  • お父さんもお母さんも理数系は苦手だったけれど、やっぱり蛙の子は蛙だよね。
  • 華やかな職業に憧れたものの、蛙の子は蛙なのか、最終的には親と同じ仕事に就いた。

親子の能力を把握している人が自虐的に使うパターンがよく見られ、親が子どもまたは配偶者・身内に向けて使う場面が多いでしょう。 

■褒め言葉ではない点に注意

『蛙の子は蛙』には人並みの能力しかないというニュアンスが含まれるため、褒め言葉としては使えません。また、小さい頃に能力や才能があるように見えても、父母に似て凡人に育つという意味を持ち、親子共にけなすような印象になる点にも注意が必要です。

相手にネガティブな印象を与えたくないときには、『血は争えない』を使うのもよいでしょう。単に『血のつながりを否定できないほど性質が似ている』状態を指す言葉なので、使うシーンを選びません。

『蛙の子は蛙』を他人に対して使う場合、本人のいない場所で話したとしても陰口・悪口と思われてしまいます。たとえ親しい間柄であっても、当事者以外が使うと良い印象を持たれない点も覚えておきましょう。

「蛙の子は蛙」と似たことわざもチェック

公演で遊ぶ親子

(出典) pixta.jp

『蛙の子は蛙』のように、子が親に似るという意味を持つことわざはいくつか存在します。類語に分類されることわざを見ていきましょう。

■「瓜(うり)の蔓(つる)に茄子(なす)はならぬ」

『瓜の蔓に茄子はならぬ』は、瓜から茄子ができることがないように、子どもの性質は親に似るというたとえです。 親子の血縁関係以外に、原因となるものから生まれるものはそれなりの結果でしかないという意味でも使われます。

蛙の子は蛙と同じく、親が平凡で子どもも凡人である様子を表すため、当事者が謙遜で使う以外ではネガティブな印象を与えてしまいます。 瓜が平凡で茄子が非凡であるようには考えにくいですが、ことわざの背景には『茄子の方が高級でよいもの』という前提があるからです。

■「此(こ)の親にして此(こ)の子あり」

『此の親にして此の子あり』は、本来ポジティブな意味を持つ言葉です。素晴らしい親からは、素晴らしい才能を持った子どもが生まれるという意味で、褒め言葉としても使われます。

しかし、近年では『悪い親からは悪い子が生まれる』という意味で誤用され、間違った使われ方が広まってきている印象です。そのため、褒め言葉として使おうとすると誤解を招く可能性もあります。

似たことわざに『親が親なら子も子』があり、こちらは一般的に『悪い部分が似ている』ときに使われる言葉です。どちらの表現を使うにしても、他人を評するときには細心の注意が必要でしょう。

文/編集部

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