遠近両用レンズブランド「バリラックス」を展開するニコン・エシロールは、日本特有の老眼問題の実態と世界の老眼市場に関する調査を実施。結果を図版とグラフにまとめて発表した。
老眼の始まり〜ターニングポイントは45歳
年齢を重ねてシニアにな理、やがて老眼に行き着くと思われがちだが、人の目は10歳を過ぎたあたりから少しずつ機能が低下している。
年齢と共に遠くなる近点
調節力(近くに焦点を合わせる能力)を使って最も近くを見ることができる距離のことを近点と言う。
10歳では、十分な調節力を有しているので眼前8cmくらいまでよく見えるが、その機能が劣化するため20歳ではその距離は約11cm、30歳で約14cm。そして40歳で約22cmまで遠ざかっていく。
スマートフォンや読書では眼前から手元まで20~30cmの距離で見ているため、この段階ではあまり不便を感じない。
しかし、45歳を過ぎたあたりから、近点は35cmを超え、スマートフォンを見る手元に焦点が合わなくなる。つまり老眼は突然始まるのではなく、徐々に機能が落ちていき、近点が30cm前後になった時に、老眼になったと自覚するのだ。
50歳で約50cmになり、老眼現象は60歳で約100cmまで遠ざかっていくと言われている。
老眼率世界No.1の老眼大国ニッポン
2023年現在、日本の人口は約1億2400千万人、老眼のターニングポイントである45歳以上は約7000万人。その割合は56%で、つまり人口の半数以上が老眼という老眼大国なのだ。
そして、2045年には45歳以上の人口は全体の61%まで増加すると言われている。