(3)目標を達成させる
次に、『目標を達成させること』に関してです。当然ですが、未達成が続けば部下の集中力は低下してしまい、果てにはモチベーションも下がってしまうでしょう。
この状況を放置しても良いとは言っていません。それでは単なる放置となってしまいますから…皆さんは目標を達成するためには何が必要でしょうか?私は『準備』であるとお答えをしています。『準備』とは仕事に取り掛かる前に、『どのように達成をするのか』という計画を具体的に立てておくことです。
もちろん、この計画通りに進むことばかりではありません。しかし準備が出来ている状態と出来ていない状態では、明らかに仕事のクオリティは変わって来ます。上司は部下がこの『準備』が十分に出来ているかを確認し、必要に応じて修正を指示しなくてはなりません。
(1)上司自身も部下の目標達成計画をイメージする
(2)部下に目標達成計画を具体的に報告してもらう
(3)部下の目標達成計画のロジックに矛盾が無いか確認をする。矛盾があれば、やり直し。
(4)必要な権限があるのであれば、事前に申請してもらい、権限を与える
(5)再度、目標達成を約束し、業務に取り掛かる
上記を会議にて実践し、部下の迷いが無くした上で業務にあたらせる。そして、目標を達成させる。目標を達成していくことで部下は経験値を増やしていく、より難易度の高い業務にもチャレンジ出来るようになっていきます。スポーツやゲームでも同じことが言えますが、難易度の高い壁を越えた時に、思わず『やったー!!』と声が出ます。この瞬間こそがモチベーションが上がった瞬間と言えるのです。
(4)モチベーションと評価制度
最後にお伝えをしておくことは評価制度に関してです。
例えばスポーツにおいて、然るべき成績を出しているのにも関わらず試合で出場することが出来ない。このような状態が続いていくと、いくら目標達成を続けていても、いつかは動きを止めてしまいます。これは当然、組織においても同じことが発生します。
モチベーションには「達成感」や「やりがい」というような人の内質的なところから発生する「内質的動機」と、「地位」や「給与」などを得ることによって発生する「物質的動機」があります。これは、どちらかだけが発生すれば良いものではありません。両方がバランス良く発生することによって「内発的動機(真のモチベーション)」を得ることが出来るのです。
極端かも知れませんが、達成感ややりがいばかりをアピールして従業員をマネジメントすることは、「やりがい搾取」になりかねない状況と言えます。ではどうすれば、物質的動機を与えることが出来るのか?それにはやはり評価制度が重要であると言えます。
しかし、評価制度にも注意が必要です。良い評価を与えれば与えるほど良い訳ではありません。それでは人件費比率がどんどんと上がってしまいます。
『従業員が良い評価を得ている=必ず組織が成長している』
常にこの構図が成立していなくてはなりません。また、評価制度自体に『迷い』が生まれてもいけません。先述の目標と同じように、『明確(=認識のずれが起きない』ように制度設計がされていなくてはなりません。
他にも評価制度の注意点は多数あるのですが、本稿のテーマからは外れてしまいますので、詳細は割愛をさせて頂きます。ただ、間違いなく言えることは、モチベーションを上げ、また維持させるためには、評価制度が必ず必要と言うことです。
これは新入社員を採用する時にも同じことが言えます。何のために働くのか?やはり、給与を得る、ということは目を背けられません。その給与を得る仕組みが明確か曖昧か、その違いによって、入社してくる社員のモチベーションも既に変わってくるはずです。
まとめ
1『モチベーションが上がらない』は仕事を頑張れない理由にはならない
2明確な目標を掲げる。
3掲げた目標を達成させることが上司の仕事
4モチベーションを上げるだけでなく、維持するためにも評価制度は重要
文/仲悠将